無口な自衛官パイロットは再会ママとベビーに溺愛急加速中!【自衛官シリーズ】
第三章 三人家族になりました
第三章 三人家族になりました
「桜井美月って、芸能人みたいな名前ですよね。名前負けしていて照れくさいです」
美月は頰をほんのりと赤く染めつぶやいた。
ついさっき、家族三人で役所に出向いて婚姻届を提出したばかり。有坂から桜井に名字が変わったという実感はまだない。
ただ照れくさくて恥ずかしくて、そして想像していた以上に心は浮き立ち満ち足りている。
総じて幸せ、ということだ。
たった紙切れ一枚のこと。それはなくてもかまわないと考える知り合いがいるが、美月に限って言えば、違っていたようだ。
社会から碧人のパートナーとして生きる後ろ盾を与えられたような安心感。そして今まで感じたことのない心強さを手に入れたような気がしている。
「名前負けなんてそんなことないだろ。美月なら、望めばアイドルでも女優でも通用すると思うぞ」
「またそんな冗談。アイドルとか、通用するわけないです」
碧人のリップサービスを聞き流して、美月はクスクス笑う。
「それに我が家のアイドルはやっぱりれん君。今日もかわいい」
美月は碧人と手をつなぎ歩く蓮人ににこやかに笑いかけた。
蓮人は三歳を過ぎてから一段と力強く歩くようになり、顔立ちもますます碧人に似てきた。
「蓮人は保育園でもアイドルらしいな。女の子にも男の子にも人気があるって保育園の先生が言ってたぞ。それは当然だよな。なんといっても俺の息子だからな」
碧人は胸を張り誇らしげにそう言うと、蕩けるような優しい目を蓮人に向けた。
結婚すると決めてから一度だけ、訓練を終えた碧人とふたりで蓮人を保育園に迎えにいったのだ。
碧人の姿を見つけた蓮人が見せたとびきりの笑顔。美月の心に一生残っているはずだ。
俺の自慢の息子。正真正銘俺の息子だからな」
「桜井美月って、芸能人みたいな名前ですよね。名前負けしていて照れくさいです」
美月は頰をほんのりと赤く染めつぶやいた。
ついさっき、家族三人で役所に出向いて婚姻届を提出したばかり。有坂から桜井に名字が変わったという実感はまだない。
ただ照れくさくて恥ずかしくて、そして想像していた以上に心は浮き立ち満ち足りている。
総じて幸せ、ということだ。
たった紙切れ一枚のこと。それはなくてもかまわないと考える知り合いがいるが、美月に限って言えば、違っていたようだ。
社会から碧人のパートナーとして生きる後ろ盾を与えられたような安心感。そして今まで感じたことのない心強さを手に入れたような気がしている。
「名前負けなんてそんなことないだろ。美月なら、望めばアイドルでも女優でも通用すると思うぞ」
「またそんな冗談。アイドルとか、通用するわけないです」
碧人のリップサービスを聞き流して、美月はクスクス笑う。
「それに我が家のアイドルはやっぱりれん君。今日もかわいい」
美月は碧人と手をつなぎ歩く蓮人ににこやかに笑いかけた。
蓮人は三歳を過ぎてから一段と力強く歩くようになり、顔立ちもますます碧人に似てきた。
「蓮人は保育園でもアイドルらしいな。女の子にも男の子にも人気があるって保育園の先生が言ってたぞ。それは当然だよな。なんといっても俺の息子だからな」
碧人は胸を張り誇らしげにそう言うと、蕩けるような優しい目を蓮人に向けた。
結婚すると決めてから一度だけ、訓練を終えた碧人とふたりで蓮人を保育園に迎えにいったのだ。
碧人の姿を見つけた蓮人が見せたとびきりの笑顔。美月の心に一生残っているはずだ。
俺の自慢の息子。正真正銘俺の息子だからな」