裏社会の私と表社会の貴方との境界線
side真白斗亜 〜俺が守る〜
今日のこと、本当に言ってよかったのだろうかとまだ後悔が残る。
実際あんなことを言うつもりじゃなかった。
日系中国人の裏社会最強のマフィア、雨晴華恋。
現在はメア家の奴と探偵一家と暗殺者一家の、両家の血を継ぐ俺を探しにきてる。
自分は狙われてる身だし、これ以上関わるのは危険だというのに。
千智と紺凪も裏社会のマフィアだし。
「マジで何やってんだ…」
雨晴が今メア家にはむかって大変な状況にいる。
助けになってやりたいけど、それどころじゃないんだ。
プルル、プルル。
と、その時スマホが鳴った。
そこに書かれた人物を見て、すぐに通話を押した。
『兄さんどう?上手くやってる?』
「ああ、こっちは大丈夫だ。そっちはバレたりしてないか?」
『もっちろん』
幼い声がスマホから聞こえる。
こいつは俺の弟、レオ・メアだ。
本名は真聖琉叶、俺と同じくメア家と真聖家の血を持つ弟だ。
『奴らに動きは見えないけど、僕達じゃ仕方ないからねー。まあ、引き続き様子見かな』
「…そうか」
琉叶は奴らの情報や動きについて常に調べている。
俺は学園で探偵資格を取らなきゃいけないから、琉叶の存在には非常に助かっている。
でも、その反面心配は絶えない。
琉叶のことをメア家に知られたら、殺されてしまうかもしれない。
『心配しないで!僕は大丈夫だから!あっ、そういえば琉愛姉が目を覚ましたって!!』
嬉しそうにそう言った琉叶と同じように、俺も嬉しくなった。
俺の妹の真聖琉愛は、いくつもの病気をもっていて入院中だ。
「今から行ってくる」
『ええ?!もうこんな時間だけど…』
「琉愛がまた寝たら困る」
少しの間無言になってから、優しい声色で言われた。
『そうだね。いってらっしゃい』
「いってくる」
そう言って、俺は通話を終わらせて寮を出る準備をした。
ーーーーー
コンコンッ。
俺は病院に着くなり、できるだけ早く琉愛の部屋に向かった。
ノックをしてから部屋に入る。
「琉愛…いるか?」
「その声は乃亜兄…?」
俺はその言葉を聞いて、涙を流しながら琉愛に抱きついた。
よかった、本当によかった。
「俺のこと覚えてたんだな」
「うん。るあはちゃんと覚えてたよ。今回はどのくらい寝てたのかなぁ」
琉愛の何気ない質問が、俺の心を痛めた。
答えたくないが、俺はゆっくりと言葉を発した。
「1ヶ月…だよ」
「そっかぁ。ごめんね、るあ役立たずで」
「っ…!もう、しゃべらなくていい」
琉愛から“役立たず”という言葉を聞くのが嫌いだ。
そんな風に言ってほしくない。
琉愛が普通になれないのは仕方がないのだから。
発達障害であり、普通の感情がうすれてしまっている。
記憶障害のせいでほとんどの人を覚えていることができない。
心臓病を持っていて、普通の人の半分しか機能しないため運動が全くできない。
不眠症にもなってしまって眠るのは1週間に一度といった頻度。
そして、謎の奇病。
吐血が普段目立った症状で、医師にはいつ死ぬか分からないと言われている。
それと、不眠症もあいまってか眠ったら最低でも2週間は起きない。
これも全部“呪い”のせいだ。
「うん。ごめんね」
いつか琉愛を救う女神が現れたら、そんなありもしないことを願っている。
奴らとの決着を、早期につけなければいけない理由は…。
「俺が絶対普通の生活ができるようにしてやる。それまで、頑張れ」
俺が言えるのはこれくらいしかないけれど。
琉愛の幸せを願っている。
実際あんなことを言うつもりじゃなかった。
日系中国人の裏社会最強のマフィア、雨晴華恋。
現在はメア家の奴と探偵一家と暗殺者一家の、両家の血を継ぐ俺を探しにきてる。
自分は狙われてる身だし、これ以上関わるのは危険だというのに。
千智と紺凪も裏社会のマフィアだし。
「マジで何やってんだ…」
雨晴が今メア家にはむかって大変な状況にいる。
助けになってやりたいけど、それどころじゃないんだ。
プルル、プルル。
と、その時スマホが鳴った。
そこに書かれた人物を見て、すぐに通話を押した。
『兄さんどう?上手くやってる?』
「ああ、こっちは大丈夫だ。そっちはバレたりしてないか?」
『もっちろん』
幼い声がスマホから聞こえる。
こいつは俺の弟、レオ・メアだ。
本名は真聖琉叶、俺と同じくメア家と真聖家の血を持つ弟だ。
『奴らに動きは見えないけど、僕達じゃ仕方ないからねー。まあ、引き続き様子見かな』
「…そうか」
琉叶は奴らの情報や動きについて常に調べている。
俺は学園で探偵資格を取らなきゃいけないから、琉叶の存在には非常に助かっている。
でも、その反面心配は絶えない。
琉叶のことをメア家に知られたら、殺されてしまうかもしれない。
『心配しないで!僕は大丈夫だから!あっ、そういえば琉愛姉が目を覚ましたって!!』
嬉しそうにそう言った琉叶と同じように、俺も嬉しくなった。
俺の妹の真聖琉愛は、いくつもの病気をもっていて入院中だ。
「今から行ってくる」
『ええ?!もうこんな時間だけど…』
「琉愛がまた寝たら困る」
少しの間無言になってから、優しい声色で言われた。
『そうだね。いってらっしゃい』
「いってくる」
そう言って、俺は通話を終わらせて寮を出る準備をした。
ーーーーー
コンコンッ。
俺は病院に着くなり、できるだけ早く琉愛の部屋に向かった。
ノックをしてから部屋に入る。
「琉愛…いるか?」
「その声は乃亜兄…?」
俺はその言葉を聞いて、涙を流しながら琉愛に抱きついた。
よかった、本当によかった。
「俺のこと覚えてたんだな」
「うん。るあはちゃんと覚えてたよ。今回はどのくらい寝てたのかなぁ」
琉愛の何気ない質問が、俺の心を痛めた。
答えたくないが、俺はゆっくりと言葉を発した。
「1ヶ月…だよ」
「そっかぁ。ごめんね、るあ役立たずで」
「っ…!もう、しゃべらなくていい」
琉愛から“役立たず”という言葉を聞くのが嫌いだ。
そんな風に言ってほしくない。
琉愛が普通になれないのは仕方がないのだから。
発達障害であり、普通の感情がうすれてしまっている。
記憶障害のせいでほとんどの人を覚えていることができない。
心臓病を持っていて、普通の人の半分しか機能しないため運動が全くできない。
不眠症にもなってしまって眠るのは1週間に一度といった頻度。
そして、謎の奇病。
吐血が普段目立った症状で、医師にはいつ死ぬか分からないと言われている。
それと、不眠症もあいまってか眠ったら最低でも2週間は起きない。
これも全部“呪い”のせいだ。
「うん。ごめんね」
いつか琉愛を救う女神が現れたら、そんなありもしないことを願っている。
奴らとの決着を、早期につけなければいけない理由は…。
「俺が絶対普通の生活ができるようにしてやる。それまで、頑張れ」
俺が言えるのはこれくらいしかないけれど。
琉愛の幸せを願っている。