裏社会の私と表社会の貴方との境界線
side真聖琉愛 〜戦争の終わり〜
3つ目は心臓病。
突然心臓が半分の機能しか働かなくなってしまって、お医者さんもとっても困ってるの。
そんなの例外だからね。
そのせいで運動はできないし、病院から離れるのも禁止されてる。
最近では吐血をして咳き込むことが多くなっている。
担当医には、いつ死ぬか分からないから余命1日なんて言われてる。
まあ、呪いの対価をもらい続ける限り100年生きられるんだけどね。
それは担当医には秘密。
4つ目は不眠症。
ごく一般的というか、普通にある病気だと思うだろうけど私の場合は違う。
これは生まれつきで呪いに深く関係があるの。
私は眠気というのを感じないから、ずっと起きているの。
でも、突然強い睡魔が襲ってきて私は眠ってしまう。
まるで長い期間眠らなかった体を休めるように、1ヶ月から3ヶ月眠り続けてしまう。
眠っている間は「メア」という名前の別の体で時を過ごす。
起きた後メアとしての記憶だいたいは残ってるんだけど、メアでいる時はるあとしての記憶はなくなってしまう。
メアの体は健康体のそのもので、普通の人間として生活を送れる。
かわりにるあでいれば呪いを受けた体で生活を送らなきゃいけない。
それがるあに与えられた呪いだから。
「るあが目覚めたって聞いて急いで来たの。また眠っちゃったらしばらく会えないでしょ?」
「…でも、もうるあはお母さんを覚えてないんだよ?だから……その……辛い思いをさせると思うから、もうこなくてもいいよ?」
るあはしんらつな言葉を吐いた。
事実を言っただけだ。
けれど、母親にとってそれはとても辛いことだった。
「いいえ。私はるあの母親だから、あなたと最後まで一緒にいたいの」
そんなことを言うけど、この人はきっと本当の母親じゃない。
本家の人なら感覚でわかるけど、この人からは何も感じない。
まあ、そりゃそうだと思うよ。
だって本当の母親と父親は呪いで死んだって聞かされてるもの。
いつも乃亜兄が1番に来て、るあの記憶にないことを教えてくれるの。
だから知ってる。
この人は本家の人ではなく親族の、表向きの母親だって。
けど、この人にとって私が大切と言う言葉は本物だと思う。
人の嘘ってすぐ分かるの。
「そ…っか。うん、ありがとうお母さん」
私はそう言って笑った。
この時私は思った。
どうして私は普通に生まれなかったのだろう。
どうして呪いを受けなければならないのだろう。
もう、全部全部大嫌いだ。
もう、死にたい。
ーーーーー
その夜、また乃亜兄が病室に来た。
「るあ、調子はどうだ?」
「全然平気だよ!まだ目が覚めて1日目だから、眠っちゃう心配もないしね」
「…そうか」
この時間に乃亜兄が来ることって滅多にないんだよね。
だから、何か大切なことを言いに来たのだ。
なんとなく想像はつく。
メア家のことだと。
乃亜兄がメア家と真聖家の血をひいていることも知っているし、琉叶がメア家の血を多くひく真聖家の人間だってことも知ってる。
この長い長い戦争を、はやく終わらせるために日々私達は動いている。
「るあ、この戦争を終わらせる時が来た」
乃亜兄のその言葉に、自然と笑顔が出た。
突然心臓が半分の機能しか働かなくなってしまって、お医者さんもとっても困ってるの。
そんなの例外だからね。
そのせいで運動はできないし、病院から離れるのも禁止されてる。
最近では吐血をして咳き込むことが多くなっている。
担当医には、いつ死ぬか分からないから余命1日なんて言われてる。
まあ、呪いの対価をもらい続ける限り100年生きられるんだけどね。
それは担当医には秘密。
4つ目は不眠症。
ごく一般的というか、普通にある病気だと思うだろうけど私の場合は違う。
これは生まれつきで呪いに深く関係があるの。
私は眠気というのを感じないから、ずっと起きているの。
でも、突然強い睡魔が襲ってきて私は眠ってしまう。
まるで長い期間眠らなかった体を休めるように、1ヶ月から3ヶ月眠り続けてしまう。
眠っている間は「メア」という名前の別の体で時を過ごす。
起きた後メアとしての記憶だいたいは残ってるんだけど、メアでいる時はるあとしての記憶はなくなってしまう。
メアの体は健康体のそのもので、普通の人間として生活を送れる。
かわりにるあでいれば呪いを受けた体で生活を送らなきゃいけない。
それがるあに与えられた呪いだから。
「るあが目覚めたって聞いて急いで来たの。また眠っちゃったらしばらく会えないでしょ?」
「…でも、もうるあはお母さんを覚えてないんだよ?だから……その……辛い思いをさせると思うから、もうこなくてもいいよ?」
るあはしんらつな言葉を吐いた。
事実を言っただけだ。
けれど、母親にとってそれはとても辛いことだった。
「いいえ。私はるあの母親だから、あなたと最後まで一緒にいたいの」
そんなことを言うけど、この人はきっと本当の母親じゃない。
本家の人なら感覚でわかるけど、この人からは何も感じない。
まあ、そりゃそうだと思うよ。
だって本当の母親と父親は呪いで死んだって聞かされてるもの。
いつも乃亜兄が1番に来て、るあの記憶にないことを教えてくれるの。
だから知ってる。
この人は本家の人ではなく親族の、表向きの母親だって。
けど、この人にとって私が大切と言う言葉は本物だと思う。
人の嘘ってすぐ分かるの。
「そ…っか。うん、ありがとうお母さん」
私はそう言って笑った。
この時私は思った。
どうして私は普通に生まれなかったのだろう。
どうして呪いを受けなければならないのだろう。
もう、全部全部大嫌いだ。
もう、死にたい。
ーーーーー
その夜、また乃亜兄が病室に来た。
「るあ、調子はどうだ?」
「全然平気だよ!まだ目が覚めて1日目だから、眠っちゃう心配もないしね」
「…そうか」
この時間に乃亜兄が来ることって滅多にないんだよね。
だから、何か大切なことを言いに来たのだ。
なんとなく想像はつく。
メア家のことだと。
乃亜兄がメア家と真聖家の血をひいていることも知っているし、琉叶がメア家の血を多くひく真聖家の人間だってことも知ってる。
この長い長い戦争を、はやく終わらせるために日々私達は動いている。
「るあ、この戦争を終わらせる時が来た」
乃亜兄のその言葉に、自然と笑顔が出た。