裏社会の私と表社会の貴方との境界線

手を組んで

「ということらしいの」


琉愛の病気のことや呪いのことは全て伝えた。


きっと、本人も相当苦しんでいるであろう。


「なんか…悲しいね。真聖家って天才だとか持ち上げられてるけどさ、本人達からしたらただの迷惑でプレッシャーなんだろうね」


本当にそうだと思う。


周りは本人のことなんか考えるわけもないから。


「本家の子の生き残りはその3人だけ。後は真白の言った“奴ら”についてだけど…。まだそれはわかっていないの。レイもわかりませんって言うから」


大抵のことはレイに頼めば、情報が入ってくる。


でも、これだけ経っても情報の提供がないということは黄泉様の管理下にあるか、もしくはレイもグルなのかの2択だ。


私達が頭を悩ませていると、突然ドアがノックされた。


気配がない。


ということは、サクかレンだと思う。


ここまで気配を消せるのはメア家の人以外ありえないし。


そう思って、ツキとユウに目線を送る。


それから、少し大きめの声で言った。


「そこにいるのは誰?」


ドアを開けずに、私達も警戒をマックスにした。


それから、意外な声が返ってくる。


「ごめん、驚かせるつもりはなかったんだ」


その声に一気に緊張が解ける。


理由は、その声の主が真白だったから。


「いいえ、こちらこそ変に警戒してごめんなさい。今開けるわね」


ガチャ。


私はゆっくりとドアを開けた。


そこにいたのは真白と、とてもかわいらしい少女と中性的な幼い少年だった。


真白とは違う真っ黒なツヤのある髪に鮮やかな黄色い瞳、真っ白な肌と首元に並んだふたつのほくろが特徴の少女。


でも、どこか真白に似ていると思った。


少年の方は藍色の髪と銀色の瞳が特徴の子。


この子は名前を知っている。


いや、知らないわけがない。


だって彼はメア家の第七王子レオ・メアだったから。


「…どうしたのかしら」


とりあえず平常心を保ち、真白に話しかける。


「少し話したいことがあるんだ。部屋に入れてほしい」


私は少し考えた後、了承した。


このタイミング、きっと真聖家のことを言いにきてくれたのだと思ったから。


真白達がリビングまで来ると、みんな驚いた表情をした。


だけど、みんな何も言わなかった。


私と同じように感じ取ったのだろう。


「適当に座ってちょうだい。飲み物は何がいいかしら?」


「僕はコーヒーがいいな。琉愛と琉叶は紅茶で」


私はその言葉にうなずき、言われたものを用意した。


カップを出して3人の前にきれいに置いた。


それから飲むように勧めて、私も席に座る。


「それで。聞いてほしいといったお話を聞きましょうか」


「単刀直入に言う。僕達と手を組んで、この戦争を…真聖家とメア家を終わりにさせないか?」


「それは……私たちの状況を全て知っていると見ていいのかしら」


私が3人に目線を送ると、レオだけがにこっと笑った。


それから、こう言う。


「僕が全部調べちゃったんだよね」


「…そう。なら、貴方達の状況も少し教えてくれないかしら。いえ、全部話して」


そうじゃないと不公平だから。


こちらのことは調べられているのに、私達は何ひとつ知らないなんて。


今話してくれるのなら3人を信用してみてもいい。


「わかった。じゃないと僕らのこと、信用できないもんね。じゃあ、まずは自己紹介からしよっか。琉愛姉から!」


「わ、私…?えっと、真聖琉愛っていいます。本家の子で、長女です。…よろしく」


少しおどおどした感じで言ったこの少女は、さっきまで話していた真白の妹ね。


今のところ感情がないとかは感じないけど。


「僕は知っての通りレオ・メアだけど、本名は真聖琉叶だよ〜。乃亜兄と同じ、真聖家とメア家の血を受け継いでるんだ」


「ええ!?レオって、えっ!?」


初めて声を上げた羅華に続いて、みんなが驚いた。
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