裏社会の私と表社会の貴方との境界線
ツキはいつも集合時間の10分前にいるので、普段通りもういるだろうと元から予想していた。


ツキに分かるように、トントンと音を立てて1階に降りていく。


「ちょっと遅かったかしらね?」


ツキの姿が見えたところで、私が片手で“ごめんね”のサインをする。


すると、ツキは私から目を逸らした。


「別に…大丈夫」


相変わらず素っ気ない言い方だ。


でも、ツキの顔をよく見ると耳が少し赤くなっているように見えた。


体調でも悪いのかしら…?


「それより。制服、似合ってんじゃん」


普段のツキからならありえない言葉が出てきて、ものすごくびっくりした。


「ええ…ありがと。…ツキも似合ってるわよ」


なんか恥ずかしい。


こんなこと言われたら余計に意識しちゃうじゃない!


ツキは白のワイシャツの上に紺色のセータを着ていて、黒色のズボンはツキのスラリとした脚線(きゃくせん)がはっきり見えるようなピッタリサイズ。


さらに、いつものように手には黒手袋をはめていた。
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