ヴァンパイアに狙われています!〜運命は危険な出会い〜
***


「さあ!どんどん食べて〜!今日は特別に、私がはりきって作っちゃった!」


彩鈴ちゃんのお母さん、莉子さんがお夕飯を作ってくれた。


それから、10人くらい座れるくらいの大きなテーブルに私達は座った。


テーブルには、たくさんの料理がのっている。


どれもお店のものみたいに見えて、とても美味しそうだった。


「ありがとうございます。莉子さんも座って食べましょう?」


華恋ちゃんがそう言うと、莉子さんは少し困った顔をした。


「私は…どうしようかしら」


何を困っているんだろう。


「あのっ…」


私の問いかけをさえぎるようにして、彩鈴ちゃんが言う。


「お母さんはヴァンパイアと能力者のハーフなの。食事に血を混ぜてるから、匂いとかがみんなが嫌がるかもって、ね?」


莉子さんに視線を送って、にこっと笑った。


きっと言い出しにくいことで、少しホッとしているようにも見えた。


「そういうことなら大丈夫ですよ。僕もヴァンパイアですし」
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