鬱乙女ゲーム世界に転生したので漫才コンビ「悪役令嬢」で婚約解消いたします!
「はい、こんにちは〜。『悪役令嬢』です!」
軽快に私が皆へと挨拶する。皆ドン引きしているけど、気にしない。
「待て待て待て、悪役令嬢ってまずなんですか! みんな何が起きたのかってポカンとしてますよ」
アダムが突っ込む。
「え、あんた、コンビ名知らないの。よくそれで私の隣に立ってるわね」
「知ってますよ」
「知ってんのかーい!」
「ここはね、皆さんに教えるためにね。わざと知らないふりをしてと言いますかね。もうええですよ。私が説明します、まずは――」
「あー、そういう小難しい話いらない。難しい難しい」
「あんた、公爵令嬢やろが!」
田舎の方言を混ぜて進行する。そこらの貴族も興味深くこちらを見ている。ま、あのロゼリア様がどうなっちゃってんのという興味が大きいかもしれないけど。
「私はね、公爵令嬢だけあって最近のトレンドには敏感なのよ」
「あ〜、なるほどね。トレンドを知ることで社交の話題にもなる、さすが公爵令嬢!」
「次に来るトレンドは婚約破棄! 間違いないわ!」
「婚約破棄!? それ流行っちゃうの!? 駄目でしょう、止めないと。公爵令嬢さん、止めてくださいよ」
「ふふん、駄目かどうかはまず婚約破棄の基本パターンについて聞いてからでお願いするわ」
「ほう、基本パターンがあるんですか。ま、聞きましょう聞きましょう」
バカ王子とリリナがドキッとした顔をしているわね。でも……なぜかリリナは期待しているような面持ちだ。
「まず、王子様がいるわ」
「はいはい、大体イケメンだと決まっているキラキラした人ですね」
「仮にジャスタウェイ王国のジャスタウェイ様だとしましょう」
「お、目の前に本物の王子様がおりますからね。保身に走る、まさに公爵令嬢!」
「うるさいわ! そしてそのジャスタウェイ様、婚約者がいるのに浮気をします」
「全然キラキラしていませんね! ギラギラです」
「そこで、浮気相手と結ばれたい! 親の決めた相手と結婚したくない! そう思った王子様は――」
「はい、分かりますよ。好きな人と一緒にいたい! それはね、人間なので分かりますよ」
「婚約者を悪役に仕立てあげます」
「なんでや! 全然分からんわ!」
学園でのエリク様とリリナのイチャイチャを知っている人たちが、チラチラと彼らを見ているわね。
軽快に私が皆へと挨拶する。皆ドン引きしているけど、気にしない。
「待て待て待て、悪役令嬢ってまずなんですか! みんな何が起きたのかってポカンとしてますよ」
アダムが突っ込む。
「え、あんた、コンビ名知らないの。よくそれで私の隣に立ってるわね」
「知ってますよ」
「知ってんのかーい!」
「ここはね、皆さんに教えるためにね。わざと知らないふりをしてと言いますかね。もうええですよ。私が説明します、まずは――」
「あー、そういう小難しい話いらない。難しい難しい」
「あんた、公爵令嬢やろが!」
田舎の方言を混ぜて進行する。そこらの貴族も興味深くこちらを見ている。ま、あのロゼリア様がどうなっちゃってんのという興味が大きいかもしれないけど。
「私はね、公爵令嬢だけあって最近のトレンドには敏感なのよ」
「あ〜、なるほどね。トレンドを知ることで社交の話題にもなる、さすが公爵令嬢!」
「次に来るトレンドは婚約破棄! 間違いないわ!」
「婚約破棄!? それ流行っちゃうの!? 駄目でしょう、止めないと。公爵令嬢さん、止めてくださいよ」
「ふふん、駄目かどうかはまず婚約破棄の基本パターンについて聞いてからでお願いするわ」
「ほう、基本パターンがあるんですか。ま、聞きましょう聞きましょう」
バカ王子とリリナがドキッとした顔をしているわね。でも……なぜかリリナは期待しているような面持ちだ。
「まず、王子様がいるわ」
「はいはい、大体イケメンだと決まっているキラキラした人ですね」
「仮にジャスタウェイ王国のジャスタウェイ様だとしましょう」
「お、目の前に本物の王子様がおりますからね。保身に走る、まさに公爵令嬢!」
「うるさいわ! そしてそのジャスタウェイ様、婚約者がいるのに浮気をします」
「全然キラキラしていませんね! ギラギラです」
「そこで、浮気相手と結ばれたい! 親の決めた相手と結婚したくない! そう思った王子様は――」
「はい、分かりますよ。好きな人と一緒にいたい! それはね、人間なので分かりますよ」
「婚約者を悪役に仕立てあげます」
「なんでや! 全然分からんわ!」
学園でのエリク様とリリナのイチャイチャを知っている人たちが、チラチラと彼らを見ているわね。