離婚を前提にお付き合いしてください ~私を溺愛するハイスぺ夫は偽りの愛妻家でした~
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 明かりのついた我が家へ帰れば、自然と自分以外の存在を感じる。

 リビングのドアを開けてすぐに美鈴は「ただいま」と告げる。千博からも間を置かずに「おかえり」という声が返ってきた。

 千博はすでに着替えを済ませ、美鈴が用意した作り置きのご飯を食べている。最近は千博の帰宅が早いことも多いからと昼に作っている。

 美鈴も楽な格好に着替え、リビングへと戻る。すると、千博が美鈴の分の食事を温め、配膳までしてくれていた。

「ありがとう」
「いや」

 このやりとりももはや定番になりつつある。美鈴が遅く帰ったときは、必ずこうしてくれるのだ。

 美鈴は「いただきます」と言って、食事に手をつける。レンジで温め直したものとはいえ、温かいご飯はやはりおいしい。味を噛みしめながらパクパクと数口食べれば、同じく食事中の千博が声をかけてきた。
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