離婚を前提にお付き合いしてください ~私を溺愛するハイスぺ夫は偽りの愛妻家でした~
「食事中にごめん」
「ううん。いいよ。ありがとう、誘ってくれて」

 映画に誘ってくれた理由はわからないが、美鈴との時間を作ってくれるのはとても嬉しい。たとえ終わりを迎える関係だとしても、そのときまでは同じ時間を共有していたい。できるだけ真っ直ぐに向き合っていたい。そう思っている。

 そんな気持ちを込めて穏やかに微笑めば、千博からいつもの視線が飛んできた。

 真っ直ぐに美鈴の奥の奥を見つめてくる瞳。その瞳を見ると、吸い寄せられそうな気持ちになると共に、心がざわざわとして落ち着かなくなる。

 その状態から解放されたくて、美鈴は咄嗟に思いついた質問を口にする。
< 118 / 216 >

この作品をシェア

pagetop