離婚を前提にお付き合いしてください ~私を溺愛するハイスぺ夫は偽りの愛妻家でした~
「はあ……あなたが未練がましく縋るから、相馬さんの仕事にも支障が出るんですよ」
「……え?」
「妻気取りをしておいてご存じないんですか? 相馬さん、今大きなトラブルに巻き込まれていて大変なんです。部下が起こした問題の管理責任を問われているんですよ」
「嘘……」

 少しも知らされていなかった話に少なからずショックを受ける。今の関係で千博が美鈴に話せなかったのはしかたないことかもしれないが、一人蚊帳の外にいるようで虚しくなる。千博からの信頼を失っているようで寂しい。

 目の前の彼女と自分との差を見せつけられているようだ。

 美鈴は宮下の言葉にどんどん追い詰められていく。

「本当ですよ。でも、普段の相馬さんならそんな問題あっさり解決できるはずなんです。それなのに、今回は苦戦していて……あなたがストレスを与えているせいですよ。相馬さんの邪魔になっているって自覚したらどうですか?」
「それは……」

 正論すぎてぐうの音も出ない。美鈴が千博にストレスを与えていることは紛れもない事実だろう。千博を自分に縛りつけているのだから。

 自分の存在が千博の負担になっていると思い知らされて、美鈴はグッと言葉に詰まる。
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