離婚を前提にお付き合いしてください ~私を溺愛するハイスぺ夫は偽りの愛妻家でした~
「やめて。私を責めるのは筋違いよ。向こうから会いに来たんだから。彼女の存在、そんなに隠しておきたかったのね。それほど大事なんだ……でも、いくら彼女と再婚したいからって、そんなもの持ち帰らないでよ」
「だから、なぜそうなる? 彼女と再婚するなんて言っていないだろう?」
「言えなかっただけなんでしょう? わざわざそんなものまで用意して、暗に別れを催促するなんて卑怯よ。私とのことが終わってから、堂々と再婚でもなんでもすればいいじゃない!」
本当はこんなふうに責め立てたりしたくないのに、どうしても口が止まってくれない。宮下とのことは決して触れずに、ただ千博が幸せになってくれることを願おうと思っていたのに、それとは程遠いことをしている。
けれど、ここまで美鈴の気持ちを蔑ろにされては我慢ならないのだ。
これでは最悪の別れを迎えることになってしまうと頭では理解しているのに、行動は伴ってくれない。
美鈴は自由の利く左手で再び千博の胸を打とうとするが、その手もあっけなく千博に掴まれてしまった。千博の手にあったはずのあの贈り物は、いつの間にかごみ箱へと投げ捨てられている。
千博は美鈴の両腕を掴んだまま、強引に美鈴を引き寄せる。
「……それを言うなら、君だって! あの磯崎という男と恋仲なんじゃないのか?」
「っ!?」
「あのときも随分親しそうにしていたからな」
サーっと心の温度が低下していく。そこを疑うことだけはどうしても許せない。美鈴の想いだけはほかの誰にも決めつけられたくない。たとえ千博であっても許されない。
一気に温度が下がったところから、じわじわと怒りで熱が上がっていく。
「――ない……そんなことあるわけないでしょう! 私がどれほど千博さんのこと愛していたと思っているのよ! そんな簡単に心変わりするわけないじゃない。今も、こんなにも苦しいのに、どうして……どうして違う人を愛せるっていうのよ……私の愛はそんなすぐに変わってしまうほど薄っぺらいものじゃないっ!」
こぼれる涙はそのままに、千博をキッと見据えて言い放つ。美鈴のこの想いは揺らぐことのない確かなものなのだと真っ直ぐに千博をにらみつければ、抵抗できないほどの強い力でグッと引き寄せられた。美鈴の視界いっぱいに千博の顔が広がる。
「だから、なぜそうなる? 彼女と再婚するなんて言っていないだろう?」
「言えなかっただけなんでしょう? わざわざそんなものまで用意して、暗に別れを催促するなんて卑怯よ。私とのことが終わってから、堂々と再婚でもなんでもすればいいじゃない!」
本当はこんなふうに責め立てたりしたくないのに、どうしても口が止まってくれない。宮下とのことは決して触れずに、ただ千博が幸せになってくれることを願おうと思っていたのに、それとは程遠いことをしている。
けれど、ここまで美鈴の気持ちを蔑ろにされては我慢ならないのだ。
これでは最悪の別れを迎えることになってしまうと頭では理解しているのに、行動は伴ってくれない。
美鈴は自由の利く左手で再び千博の胸を打とうとするが、その手もあっけなく千博に掴まれてしまった。千博の手にあったはずのあの贈り物は、いつの間にかごみ箱へと投げ捨てられている。
千博は美鈴の両腕を掴んだまま、強引に美鈴を引き寄せる。
「……それを言うなら、君だって! あの磯崎という男と恋仲なんじゃないのか?」
「っ!?」
「あのときも随分親しそうにしていたからな」
サーっと心の温度が低下していく。そこを疑うことだけはどうしても許せない。美鈴の想いだけはほかの誰にも決めつけられたくない。たとえ千博であっても許されない。
一気に温度が下がったところから、じわじわと怒りで熱が上がっていく。
「――ない……そんなことあるわけないでしょう! 私がどれほど千博さんのこと愛していたと思っているのよ! そんな簡単に心変わりするわけないじゃない。今も、こんなにも苦しいのに、どうして……どうして違う人を愛せるっていうのよ……私の愛はそんなすぐに変わってしまうほど薄っぺらいものじゃないっ!」
こぼれる涙はそのままに、千博をキッと見据えて言い放つ。美鈴のこの想いは揺らぐことのない確かなものなのだと真っ直ぐに千博をにらみつければ、抵抗できないほどの強い力でグッと引き寄せられた。美鈴の視界いっぱいに千博の顔が広がる。