離婚を前提にお付き合いしてください ~私を溺愛するハイスぺ夫は偽りの愛妻家でした~
「嘘だとわかって、今まで通りでいるなんてできない。絶対に受け入れられない……だから、別れるしかないと思ってる。でも……偽りの関係のまま終わりを迎えても、きっと納得なんてできない。だって、私の愛は本物だったんだから」

 美鈴の心からの訴えに、千博は軽く目を見張りながらも静かに聞いている。

「だから、離婚をするまでの間、本当の千博さんと私として過ごしたい。嘘なんてない本当の二人で」

 真に望むことを口にすれば、千博の表情が随分と難しくなる。

「……そんなことをしても時間の無駄だろう」
「私はそうは思わない。次に進むために絶対に必要だと思う」
「いや、しかし……」

 今度は千博が渋っている。しかし、美鈴に引くつもりはない。これまで千博は自分の好きなようにやってきたのだ。このくらいの望み、受け入れてくれたっていいはずだ。
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