はるけき きみに  ー 彼方より -
 空に向かって顔を上げた。

 風が吹き渡っていた。
 ヒューと鳴るそれに、老牧師の声が重なったように思えた。

 熱くなるものがある。それは自分の胸の奥だったり、瞼だったりする。
 目を閉じて彼の姿を追ってみる。

 そして、再び見開いた瞳に映るものがあった。
 紫音だった。

 哀しみをたたえて憔悴しきって、それでもわずかに微笑んでいる。

 そんな姿で枝垂桜の元に立っていた。

 そしてマシューを見つめていた。

 ・・つかの間、ふっと息が止まった。










  






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この物語を読んでくださってありがとうございます。 ◆ ◆ ◆ 以下、主要な経過を書き出しました。 歳の交換でアーロンが49歳から30歳になった事情 : [衝撃の出来事] P.119~ 歳の交換後、若くなったアーロンを受け入れた執事やリズの心情・違和感 : [前途に向けて] P.382~ この国の成り立ち、三大豪族の子孫であるアーロン (三大豪族とはグリンドラ家、ハインツ家、レブロン家) それゆえ彼を新国王に推すシュテルツの心情・言葉 : [前途に向けて] P.387

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