はるけき きみに  ー 彼方より -
 チャプチャプと水を漕ぐ。
 マシューらがやっと川辺に来た。

 向こうに廃墟の倉庫がある。
 隠れる場所といえばそこだけだ。
 用心しながら進んで行く。

 石川がマシューに、
「確かなのか、紫音さまがその舟に乗っていたのは」
「そうだ、その舟の前方には屋形舟がいた。紫音がああまでして追っているという事は・・」

「そこに多鶴が乗せられているかもしれない?」
「その通り」
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