はるけき きみに  ー 彼方より -
 それをマシューが見ていた。
 じっと紫音に目をあててから、
「あんがい君は・・」
「え?」

(さと)いんだな、関係ない他人の恋心には・・」
「なに、それってどういう意味?」
「そのままの意味さ。それで自分に関することはわかっていないんだ、まるっきりね」
「・・・・」

 問うように彼を見た。
 まるで判じ物を言いかけられた気分だ。

「ほら、そんなところだよ」
 マシューがダメを押す。
 そして意味ありげに笑っていた。


 やがて石川に連れられて役人がやって来た。
 さらわれていた娘が救出される。

 ただちに親が迎えに来た。
 無事な娘たちに胸をなでおろす、ほっと安堵して家路についた。


           ◆  ◆  ◆ 
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