はるけき きみに ー 彼方より -
大海原、やって来る時間
鹿島の屋敷から数人の影が出てきた。
門番が問いただそうとする。しかし追ってきた侍が止めた。
「鹿島様のご意向だ、そのまま行かせろ」
マシューとサジット、紫音と八重、そして徳三が門から出ていく。
紫音はまだ青ざめている、そんな彼女をマシューが抱えるようにしていた。
辺りはもう闇の世界になっていた。
さすがに人家はあるが人通りは少ない。
「でるには出たが、これからいったいどこへ行くんだ?」
サジットが立ち止まる。
異人である自分らにとって堺は初めての土地だ。
「行く当てか。ああ、家はあるんだ、自分の部屋もね。でもちょっと遠いかなぁ」
ぶすっと答えるマシューに、
「え?」
「イングランドだよ、故郷の。あの屋敷だとみんなまとめて生活してもらえるだろう。一応地元の領主だから家は大きいよ」
「そりゃいい。よし決まりだ、今からすぐそこへ・・」
と言いかけて、
「なあ、ピョンと跳んだらそこへ行けるのか」
「ああたぶん、一瞬で行ける・・かも?」
思わず苦笑する。
門番が問いただそうとする。しかし追ってきた侍が止めた。
「鹿島様のご意向だ、そのまま行かせろ」
マシューとサジット、紫音と八重、そして徳三が門から出ていく。
紫音はまだ青ざめている、そんな彼女をマシューが抱えるようにしていた。
辺りはもう闇の世界になっていた。
さすがに人家はあるが人通りは少ない。
「でるには出たが、これからいったいどこへ行くんだ?」
サジットが立ち止まる。
異人である自分らにとって堺は初めての土地だ。
「行く当てか。ああ、家はあるんだ、自分の部屋もね。でもちょっと遠いかなぁ」
ぶすっと答えるマシューに、
「え?」
「イングランドだよ、故郷の。あの屋敷だとみんなまとめて生活してもらえるだろう。一応地元の領主だから家は大きいよ」
「そりゃいい。よし決まりだ、今からすぐそこへ・・」
と言いかけて、
「なあ、ピョンと跳んだらそこへ行けるのか」
「ああたぶん、一瞬で行ける・・かも?」
思わず苦笑する。