きみと私の恋のみち〜想いを伝えたい〜
4.ガールズトーク
次の日、いつも通りに教室へ入るといつもはたくさんの女子に囲まれているはずの月音くんの周りにはだれもいなかった。なんで?と一瞬思ったけれどその理由はすぐに分かった。月音くんの周りに集まっているのは香波さんのグループの人や、グループに入るとまではいかないけれど友達って人だ。だから、昨日香波さんを泣かせたからってあんまり近寄りたくないみたい。群がってきていた女子は、薄い恋心をたくさんの人に持つ女子だったから違う男子の方に行ったのかも。
(ほんっと、単純でヤバい。)
ちょっとあきれながらも席に着く。
すると香波さんが寄ってきた。「ねえ、衣川さん。」「え、なに?」香波さんは一度息を吸うと言葉を発した。「あたし、自分が悪いとは思っていないから。私が何を言おうと私の勝手でしょ?なんであたしのグループの会話に入ってくんの?そういう女子が一番キモイ!あんた、わかってんの?昨日、すんごく傷ついたんだから‼」
私は香波さんの言葉には答えずにいた。『あたし、自分が悪いとは思っていないから!』その言葉をもう一度頭の中で繰り返す。ま、そうか。だって責められたくなかったんでしょうね、それも好きな人に。何も言えずにいると・・・・
「おい、香波、いい加減反省しろよ。」月音くんが香波さんの方を見ながら口を開いた。「昨日の涙は何だったんだよ。意図を突かれて、反省して出てきた涙じゃねえのかよ。ていうかお前、本当でもない人の悪口をみんなに言いふらしていたんだぞ。自分がどれだけ悪いことしているのか、わかったらどう?」
その言葉に何か言いたげにくちびるを噛んで不機嫌そうに自分の席へ戻った。
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