きみと私の恋のみち〜想いを伝えたい〜
友香がかじりかけのサンドイッチを皿において目を見開く。
「えっ、そうなの?そんな前兆、ちっとも気が付かなかったんだけど!」いつもは冷静な友香もこればっかりは声を大にしている。
「ちょ、友香っ・・・・・・香波さんたちに聞こえちゃうでしょ・・・!声がお!お!き!い!」香波さんたちの方をちらりと見ながら声を潜めつつも声に焦りを混ぜる。
「あ、ごめん・・・・」友香は声を小さくして、残りのサンドイッチをほおばった。
私はトイレに行こうと、立ち上がる。
「私、トイレに行ってくるね。」「うん。香波さんに会っちゃったらちゃんとそういうのは迷惑だからって、いいなよ。」綾香がちょっとイタズラっぽい笑みを浮かべて言う。
「わ、わかったよぉ・・・・・」私は弱気でそおっと立ち上がり、トイレに向かう。
ピロリン。その時スマホから着信音が。気になってみると、お母さんからの着信。トーク画面を開こうと、画面をタップしてから小さく一歩進んだ。
ドンッ。誰かにぶつかってしまった。「わ、ごめんなっ・・・・」
顔を見るとそれは香波さん。
「かっ、なみさん・・・・」私が何か言う前に香波さんは口を開いた。
「ほんっと、どんくさい。スマホいじりながら歩くとかやめてよね。」
「ごめんなさい・・・・」
香波さんは髪を一つに結い上げ、黄色のリボンで止めて、黄色のロゴがプリントされたTシャツにデニム。厚底のサンダルといういかにもアクティブな服装だ。
「亜希様についての一件、私は許してないんだからね。にぶいあなたは私の嫌がらせに気づいてないの?」
「もちろん、気づいてるよ。香波さんが・・・私に絡んできていることなんて。・・・・だから、やめてほしいの。こんな恋愛の一件で、そこまで私に絡む理由が、私にはわからない。」言葉の上では平静を装いつつも心の中では、決して冷静ではなく、緊張で心臓はドキドキしていた。でも、気づかれたら終わりだ。
「あ、そう。・・・・あたしはね、いつだってあたしが一番美人だって、正しいって思ってきた。でも、それがいけないことだってわからせてくれたのはね、亜希様なの。あたしがそんなことを言ったらいつだって窘めてくれたし、だめだってはっきり言ってくれたのは忘れない。だから、あたし悪気なんてなった。亜希様の力になれるっていうか、好きになってもらえると思ってたの。感謝を伝えたくて、クッキーを焼いたり、話しかけたり手伝ったりしたよ。・・・だから」
本当の香波さんが、見えたような気がした。香波さんからすうっと黒いもやがぬけて、白い自分が現れるみたいだった。
・・・・そのとき、「ゆーずはー」ふいに香波さんを呼ぶ声がした。振り向くと夕暮さんがこちらを見つめ、香波さんを呼んでいる。
夕暮さんはすぐに私に気づき、するどいめつ目つきで私を見つめて言葉を発した。
「あ、衣川羽音愛、ゆずはとしゃべってたの?・・・ふうん。うちのゆずはと、しゃべんないでくれない?・・・・あ、もしかしてうちらのことうざくてついてきちゃった?」
明らかな嫌味発言に私は一度固まった。
「えっ、そうなの?そんな前兆、ちっとも気が付かなかったんだけど!」いつもは冷静な友香もこればっかりは声を大にしている。
「ちょ、友香っ・・・・・・香波さんたちに聞こえちゃうでしょ・・・!声がお!お!き!い!」香波さんたちの方をちらりと見ながら声を潜めつつも声に焦りを混ぜる。
「あ、ごめん・・・・」友香は声を小さくして、残りのサンドイッチをほおばった。
私はトイレに行こうと、立ち上がる。
「私、トイレに行ってくるね。」「うん。香波さんに会っちゃったらちゃんとそういうのは迷惑だからって、いいなよ。」綾香がちょっとイタズラっぽい笑みを浮かべて言う。
「わ、わかったよぉ・・・・・」私は弱気でそおっと立ち上がり、トイレに向かう。
ピロリン。その時スマホから着信音が。気になってみると、お母さんからの着信。トーク画面を開こうと、画面をタップしてから小さく一歩進んだ。
ドンッ。誰かにぶつかってしまった。「わ、ごめんなっ・・・・」
顔を見るとそれは香波さん。
「かっ、なみさん・・・・」私が何か言う前に香波さんは口を開いた。
「ほんっと、どんくさい。スマホいじりながら歩くとかやめてよね。」
「ごめんなさい・・・・」
香波さんは髪を一つに結い上げ、黄色のリボンで止めて、黄色のロゴがプリントされたTシャツにデニム。厚底のサンダルといういかにもアクティブな服装だ。
「亜希様についての一件、私は許してないんだからね。にぶいあなたは私の嫌がらせに気づいてないの?」
「もちろん、気づいてるよ。香波さんが・・・私に絡んできていることなんて。・・・・だから、やめてほしいの。こんな恋愛の一件で、そこまで私に絡む理由が、私にはわからない。」言葉の上では平静を装いつつも心の中では、決して冷静ではなく、緊張で心臓はドキドキしていた。でも、気づかれたら終わりだ。
「あ、そう。・・・・あたしはね、いつだってあたしが一番美人だって、正しいって思ってきた。でも、それがいけないことだってわからせてくれたのはね、亜希様なの。あたしがそんなことを言ったらいつだって窘めてくれたし、だめだってはっきり言ってくれたのは忘れない。だから、あたし悪気なんてなった。亜希様の力になれるっていうか、好きになってもらえると思ってたの。感謝を伝えたくて、クッキーを焼いたり、話しかけたり手伝ったりしたよ。・・・だから」
本当の香波さんが、見えたような気がした。香波さんからすうっと黒いもやがぬけて、白い自分が現れるみたいだった。
・・・・そのとき、「ゆーずはー」ふいに香波さんを呼ぶ声がした。振り向くと夕暮さんがこちらを見つめ、香波さんを呼んでいる。
夕暮さんはすぐに私に気づき、するどいめつ目つきで私を見つめて言葉を発した。
「あ、衣川羽音愛、ゆずはとしゃべってたの?・・・ふうん。うちのゆずはと、しゃべんないでくれない?・・・・あ、もしかしてうちらのことうざくてついてきちゃった?」
明らかな嫌味発言に私は一度固まった。