きみと私の恋のみち〜想いを伝えたい〜
5.悩みの答え
カフェを出た後、私たちはのんびりとおしゃべりをしながら散策していた。
綾香の話を聞くうち、だんだん違和感が出てくる。その違和感というのは・・・・
そもそもの話、香波さんはもともとあんなことをする子じゃなかったはずだ。
私は、香波さんと小学校が同じだった。クラスは六年間違うかったけど代表委員(クラス代表の児童)になって中休みに話し合いをして、真剣にクラスのことを考えていたのは知っていた。だからこそ、香波さんに悪口を言われたり、冷やかされたらぎゅっと、胸がつぶれるように痛み、せつなくて・・・・苦しかった。
香波さんは小学生の頃、それなりに成績が良かったし、塾にも通っているみたいだったから私立中学に行って別れると思っていたけれどこの市立星空中にいたから少し驚いた。
それに、こんな目立つグループに入るなんて・・・・
別に香波さんの友情関係に水を差そうというつもりはないけど。
ぼんやりとそんなことを考えていると、「羽音愛。」と、綾香が呼びかけてきた。私が綾香すぐに剣な表情になった。
「私今思い出したけどさ、小学生の頃、香波さんと同じクラスになったことある。五年の頃。」
「え、ということは綾香って宮野崎小?」驚いて聞くと、綾香はうなずいた。
「うん。まあ、ともかく私、香波さんと五年の頃同じクラスだったの。」
「うん。」私は綾香がどんな言葉を紡ぐのか内心ドキドキしながらうなずく。
「その時、香波さん、ちょっとしたいじめっていうの?そういうのを受けてて・・・」
綾香が言うに、どうやら香波さんは小学五年生の頃、ちょっとしたいじめのようなものを受けていたらしい。
「最初はね、隣のクラスの目立つタイプの男子の問題児グループに上履きを隠されるようなものだったんだよね。まあ、それくらいならまだ謝るで済むけど。ある日、朝きたら、香波さんの机の上にコーラの空き缶が置いてあったの。まあ、汚いコーラ缶で、嫌がらせしようとしたんだろうね。それと一緒にふせんもはりつけら張り付けられてて、そのふせんに、ばかって書いてあった。先生に私たちですぐに言って、その男子グループがやったんだってわかって。その場では解決したんだけど、香波さんってほら、自分の意見がはっきりしてるでしょ?だから、香波さん、その男子グループに言ったの。」
「言ったって、何を?」友香が聞く。
「『あたし、なにも悪いことしたつもりないし、どうしてあんたたちに絡まれなくちゃいけないの?ほんっと、ばかみたいなことしないでよね。』って。」
「「「うわあ・・・・」」」私と、友香、美桜の声がぴったり重なる。
それって、エスカレートしかねないよ・・・・・
綾香は顔をうつむける。 
「それで、エスカレートしちゃって。かなり心が傷ついたんじゃないかな。その時香波さんは特にグループにも入ってなくて。おとなしい感じの女子とたまにしゃべるくらいだったからね。目を付けられちゃったみたい。そこから目立つグループに入ってないと目を付けられちゃうって思ったんだと思う。まあ、その通りだと思うけど。」
綾香は一度言葉を切って、もう一度言葉を発する。
「香波さんがはっきりとじ自分の思いを表示するのはあの時初めて見た。しっかり自分の意見を言わなくちゃって感じだと思う。それまでは多少のいじめも我慢してたし、自分から反発するようなこともしてなかったよ。」
そっか・・・・・
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