きみと私の恋のみち〜想いを伝えたい〜
9.私はきみが好きだよ
五時間目。月音くんのくれたカレーパンのおかげでおなかは満たされて、結構いい感じ。それはそうなんだけど・・・っ。さっきの好きだよって言葉が頭から離れない、香波さんたちとか女子がうわっと教室に入ってきちゃったから途中で中断になっちゃったんだけどむしろそれでよかったかもしれない。
だって、あれ以上言われたら心臓が持たないもん…!
ああ、授業に身が入らない・・・しばらくぼうっと黒板にチョークを滑らせる先生を見ていたけれどはっと我に返ってノートを写した。
やばい!完全にぼうっとしてたんだけど‼早く書き写さなくっちゃ。
すると、背中をつつかれた。
見ると、斜め後ろの席の綾香がこっちをみている。
私は先生にバレないように小声で聞いた。
「なに?」「羽音愛すごいぼうっとしてたよね。大丈夫?」
「え、何が?!全然大丈夫だよ!」これ以上深読みされたら困る!私は無理に笑ってごまかした。
五時間目が終わると、綾香は早速話しかけてきた。
「ねえ、羽音愛。ほんとに大丈夫?全然大丈夫に見えないんだけど。」
「もしかして、昼休み、何かあったの?」
綾香がひとみに心配そうな色をうつした。
でも思い出してしまう。あの時のドキドキも月音くんの真剣なまなざしも、しゃべり方も、全部。プレイバックしてしまう・・・
本当は全部ぶちまけたい。なのに、口からは言葉が出なかった。
☆
時間目もあったんだけど、先生が職員会議で急遽自習ってことになって、プリントが何枚か配られた。私の得意な、計算や、国語の文章問題などでさらっと終わってしまった。みんなは計算や文章の読み解きに苦戦していて、終わっていなさそうだ。
暇な私は、本を開いた。図書館で見つけて、気に入って先日書店で買った恋愛小説を開いた。ページをめくり進める。
この小説は、主人公の少女が、幼なじみの男の子に恋をするんだけど、その中に驚くべき裏が・・・とかいうはっきり言っちゃえばありきたりな小説。でも私にとったらすごく新鮮でおこづかいをはたいてつい買っちゃったんだよね。
でも、恋愛小説を読むと思い出す。昼休みのこと。どっちからの告白かははっきりしてないけれど、返事を言った方が、いいのかな。
もう、私きっと、月音くんのことが好きだ。今までいろいろごまかしてきたけれどもうむり。私の思いはどんどんふくらんできていたんだ。仲良くしたいと思っていた。でも、まさかあんなことになるなんて・・・嬉しさと驚き、複雑な気持ちが絡み合っている。
自分でもどうしてあんなことを言ったのかわからない。でも、やっぱり膨らみ切ってしまったんだと思う。すきってきもちが。だからもう我慢しきれない。
月音くんがいいって言うんだったら私は月音くんと距離を詰めたい。・・・だけどそれを始めてしまったら私はいじめられるかもしれない。だって、月音くんを好きな人は山ほどいて、学校中の女子がライバルといっても過言じゃないから。
「ねえねえ、羽音愛、ここどーやるの?」ふいに綾香が数学のプリントを差し出して、シャーペンの先で問題をさして聞いてきた。
「ん?ここはね・・・・」説明を始めようとしたら、綾香は私の言葉を遮った。
「やっぱいいや。」「え?いいの?」私がびっくりしてたずねたら綾香は私の目をまっすぐ見ていった。「もうひとつの聞きたいことを聞くことにする。」
心当たりのないまま綾香の言葉を待つ。「どうしてそんなに嬉しそうなの?」
「へっ?」ふいをつかれて私は思わずすっとんきょうな声を出してしまった。
「嬉しそうって・・・・別に嬉しくなんかないよ。」「嘘だ!ニヤけてるもん、さっきから。ねえ、なにがあったの?ねえってば!」
「何があったって・・・別に何もないって言ってるじゃん。」さすがに言う勇気はない。ここで言ってしまったら、綾香に私の戸惑いもぜんぶ、見抜かれてしまいそう。
「今ここで話たら、やばいの!帰る時話すから、ね??」とりあえず後回しにする。
「え〜〜、気になる気になる!早く六限目終わらないかなあ・・・・」
綾香がわざとらしいくらいうるうるした目を向けてくる。話してください!みたいな感じで。「とにかくむりなの!」私が言い切ったと同時に授業の終わりのチャイムが鳴り響いた。みんながうーんとのびをして、やっと終わったと言って喋り始める。
「まって!そうこう言ってるうちに六限目終わったんだけど〜。神!」綾香は目をキラッキラさせて、ワクワクした顔でそんなことを言う。
放課後。
私は今まだ心の準備ができていないままだ。月音くんをちらっと見る。と、月音くんは見たことないくらい嬉しそうににこっと笑った。
だって、あれ以上言われたら心臓が持たないもん…!
ああ、授業に身が入らない・・・しばらくぼうっと黒板にチョークを滑らせる先生を見ていたけれどはっと我に返ってノートを写した。
やばい!完全にぼうっとしてたんだけど‼早く書き写さなくっちゃ。
すると、背中をつつかれた。
見ると、斜め後ろの席の綾香がこっちをみている。
私は先生にバレないように小声で聞いた。
「なに?」「羽音愛すごいぼうっとしてたよね。大丈夫?」
「え、何が?!全然大丈夫だよ!」これ以上深読みされたら困る!私は無理に笑ってごまかした。
五時間目が終わると、綾香は早速話しかけてきた。
「ねえ、羽音愛。ほんとに大丈夫?全然大丈夫に見えないんだけど。」
「もしかして、昼休み、何かあったの?」
綾香がひとみに心配そうな色をうつした。
でも思い出してしまう。あの時のドキドキも月音くんの真剣なまなざしも、しゃべり方も、全部。プレイバックしてしまう・・・
本当は全部ぶちまけたい。なのに、口からは言葉が出なかった。
☆
時間目もあったんだけど、先生が職員会議で急遽自習ってことになって、プリントが何枚か配られた。私の得意な、計算や、国語の文章問題などでさらっと終わってしまった。みんなは計算や文章の読み解きに苦戦していて、終わっていなさそうだ。
暇な私は、本を開いた。図書館で見つけて、気に入って先日書店で買った恋愛小説を開いた。ページをめくり進める。
この小説は、主人公の少女が、幼なじみの男の子に恋をするんだけど、その中に驚くべき裏が・・・とかいうはっきり言っちゃえばありきたりな小説。でも私にとったらすごく新鮮でおこづかいをはたいてつい買っちゃったんだよね。
でも、恋愛小説を読むと思い出す。昼休みのこと。どっちからの告白かははっきりしてないけれど、返事を言った方が、いいのかな。
もう、私きっと、月音くんのことが好きだ。今までいろいろごまかしてきたけれどもうむり。私の思いはどんどんふくらんできていたんだ。仲良くしたいと思っていた。でも、まさかあんなことになるなんて・・・嬉しさと驚き、複雑な気持ちが絡み合っている。
自分でもどうしてあんなことを言ったのかわからない。でも、やっぱり膨らみ切ってしまったんだと思う。すきってきもちが。だからもう我慢しきれない。
月音くんがいいって言うんだったら私は月音くんと距離を詰めたい。・・・だけどそれを始めてしまったら私はいじめられるかもしれない。だって、月音くんを好きな人は山ほどいて、学校中の女子がライバルといっても過言じゃないから。
「ねえねえ、羽音愛、ここどーやるの?」ふいに綾香が数学のプリントを差し出して、シャーペンの先で問題をさして聞いてきた。
「ん?ここはね・・・・」説明を始めようとしたら、綾香は私の言葉を遮った。
「やっぱいいや。」「え?いいの?」私がびっくりしてたずねたら綾香は私の目をまっすぐ見ていった。「もうひとつの聞きたいことを聞くことにする。」
心当たりのないまま綾香の言葉を待つ。「どうしてそんなに嬉しそうなの?」
「へっ?」ふいをつかれて私は思わずすっとんきょうな声を出してしまった。
「嬉しそうって・・・・別に嬉しくなんかないよ。」「嘘だ!ニヤけてるもん、さっきから。ねえ、なにがあったの?ねえってば!」
「何があったって・・・別に何もないって言ってるじゃん。」さすがに言う勇気はない。ここで言ってしまったら、綾香に私の戸惑いもぜんぶ、見抜かれてしまいそう。
「今ここで話たら、やばいの!帰る時話すから、ね??」とりあえず後回しにする。
「え〜〜、気になる気になる!早く六限目終わらないかなあ・・・・」
綾香がわざとらしいくらいうるうるした目を向けてくる。話してください!みたいな感じで。「とにかくむりなの!」私が言い切ったと同時に授業の終わりのチャイムが鳴り響いた。みんながうーんとのびをして、やっと終わったと言って喋り始める。
「まって!そうこう言ってるうちに六限目終わったんだけど〜。神!」綾香は目をキラッキラさせて、ワクワクした顔でそんなことを言う。
放課後。
私は今まだ心の準備ができていないままだ。月音くんをちらっと見る。と、月音くんは見たことないくらい嬉しそうににこっと笑った。