きみと私の恋のみち〜想いを伝えたい〜
「ねえ、聞いて!」授業と授業の合間の十分休憩。トイレに入ってきた綾香の制服の袖をつかんだ。「なに、どうしたの?」「登校するときにね、香波さんたちがね、綾香のこと、ばかにしてたの!『誠実な後藤先輩が河林綾香のことを好きだなんて河林綾香がきっと先輩のお弁当に惚れ薬を調合したからでしょ。』って!」
「なに、それ。」綾香が持っていたハンカチを落としそうになる。「ひどいでしょ?それで勝手に決めつけた挙句綾香がキモイっていうんだよ‼」「・・・香波さんたち・・・・・」綾香は悲しそう。今の女子ってキモイって言葉、結構刺さるんだよね。
綾香は何か思うことがあるのか、しばらくこぶしを握って・・・・・
「羽音愛、行こ。授業始まっちゃうよ。」そう言って今度は綾香が私の制服の袖をつかんだ。教室へ入ると、なんだかざわめいていて気まずそうな雰囲気が流れていた。複数の女子たちが私をにらみつける。・・・え?嫌な予感がする・・・・・
香波さんが教壇の上に立っている。まさか・・・・
すると香波さんのグループのみつあみの女子、夕暮羽美さんが言葉を発した。
「衣川さん、昨日放課後、亜希様といちゃついていたんだって?無理やり亜希様に。」
綾香が疑いの目で私を見つめた。「ち、違うよ。無理やりじゃないしいちゃついてないし・・・・ね?」私は月音くんにこえをかけた。月音くんはちらっと私を見てくれたけどすぐに興味なさげにノートになにやら書き始めた。ちょ、月音くん~!なんか言ってよぉ~・・・月音くんって面倒ごとにはかかわらないって言っていたっけ?でも、今は違くない?!一言でもいいからなんか言ってよ‼
「ちょっと!羽音愛がそんなことするわけないじゃん!どうせ、香波のことだから悪いふうに言ってるんでしょ?」私をかばうように美桜が言った。
「そうだそうだ!」友香が美桜の言葉の尻馬に乗ってくれた。信頼してくれる人がいてよかったと思ってつかの間、香波さんたちのグループの女子、夕暮結(ゆうぐれゆい)さんと有川咲奈(ありかわさな)さん、花道百合(かどうゆり)さんが詰め寄ってきた。「あんたたちこそ親友をかばいたいだけでしょ。信頼しているかもしれないけどほんとにやっていたってゆずはが言ってるし。ね、教えてあげて私たちやさしくて(笑)」
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