クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~
「俺の妻は本当に可愛いな。こんなにも愛おしい。キスしたい気分だ」
「瑛輔…」
「わ、悪い。つい嬉しくて…」
「瑛輔、あのね」

瑛輔が怪我をした事件から半年。リハビリを重ね、以前と同じように体を動かせるようになるまで大変な日々だった。
バタバタしていたのもあって、私はまだ自分の気持ちを伝えられていない。
瑛輔は毎日のように好きだと言ってくれるけれど、そこで返しても上手く伝わらないような気がしていたのだ。

結婚1年を迎える今日、私はちゃんと彼と向き合って言うと決めた。

「瑛輔が好き。大好き。本物の夫婦として…恋人として、キス、して?」

瑛輔は目を丸くして息を呑む。私は至近距離の彼の顔を見つめて、この愛情が余すことなく伝わるよう願った。

「俺今、世界で1番幸せな自信がある。ほんとに、いいのか…? キスだけじゃ止まらないかもしれない」
「ふふ。私が、愛する旦那様と結ばれたいの。気持ちを伝えるのが遅くなってごめんね。私もずっと、あなたのことが好きだったのよ」

瑛輔の瞳に熱い何かが宿る。少々強引に唇を押し付け、それから私の目を見て囁いた。

「愛してる」

次から次へと降るキスの雨に身を任せ、私は必死で言う。

「ん…私も、愛してる…」

こんなに幸せな日があってもいいのだろうか。好きな人と身も心も結ばれて、暖かな温度を確かめられる。

しばらくキスを味わっていたら、インターホンが鳴った。

「…こんなことなら、宅配にしないで帰りに買ってくるんだったな」
「何か頼んだの?」
「少し待ってて」

そう言い、瑛輔は玄関に向かう。

戻ってきた瑛輔は、手に大きな花束を抱えていた。

驚く私を彼が目を細め見下ろす。

「俺と結婚してくれてありがとう。必ず幸せにすると誓う。一生、俺に凜を守らせてほしい」
「こちらこそ、ありがとう。瑛輔の妻になれて、幸せよ」

私は笑って、目尻に浮かんだ涙を瑛輔がそっと拭ってくれた。

「お花屋さん、緊張したんじゃない?」
「まあな。だが、凜のためなら大したことはない」
「愛は偉大ね」
「本当に。言葉だけでは足りないから、身をもって証明する。凜を心から愛する男がここにいると」
「どこで覚えてきたのよ、そんなセリフ」

政略結婚だった私たちが、互いの想いを胸いっぱいに感じたその晩、テーブルの上のご馳走たちがどうなったのかは、ご想像にお任せする。















< 101 / 101 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:82

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

交際0日ですが、鴛鴦の契りを結びます ~クールな旦那様と愛妻契約~

総文字数/74,310

恋愛(純愛)119ページ

マカロン文庫新人コンテストエントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
雨宿りにきた彼に タオルと傘とお昼ごはんを提供したら、 まさかの結婚することに――!? 廃業寸前な定食屋のひとり娘 古嵐小梅 (こあらし こうめ) × やり手社長で財閥御曹司 深山一織 (みやま いおり) 「俺と結婚してほしい」 …ほんとに思ってます?顔が怖いのですが… クールな彼との 契約から始まるラブストーリー 私たち、これから恋をします―― 2023.11.22 完結公開 2025.10.2 修正
表紙を見る 表紙を閉じる
出会ったその瞬間から今までずっと、 意地悪ばかりしてくる幼馴染との 突然の結婚。 これは運命的な出会いだとあなたは言うけれど、私はそんな運命まっぴらごめんよ! いったいいつから、 この運命は始まっていたの―――? 2024.12.14 公開
表紙を見る 表紙を閉じる
声を上げて涙する人間を、よもやキスでその唇を塞ぐ色男がいったいどこにいるだろう。 「…おまえ、泣き顔も綺麗なのな」 ええ、ここにいます。しかもちょっと様子がおかしい。どうしてそんな瞳で見つめるの? 数々のモテ伝説を誇るイケメンエリート社長。 彼こそが、キスで慰めるという奇行を為した 私の上司であります。 才色兼備、モテ期到来? 芹澤涼(せりざわ すず) × 社内一のモテ男 椿一静(つばき いっせい) 2024.3.23 公開完結

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop