クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~
長い夏が過ぎ、秋がやってきて、冬。
私は起床してすぐにキッチンに立ち、夕飯の仕込みを始めた。
冬の朝の床は冷えるけれど、なんといっても気合いが入っているのだ。
今日の夕飯は豪勢に計画している。休日出勤の瑛輔が帰ってくる前に仕上げなくてはいけない。
瑛輔の好物を中心に、食卓いっぱいの料理を並べる。調子に乗って作りすぎたけれど、3日もあれば食べきれるだろうから許してほしい。
玄関が開いて、瑛輔が帰宅してきた。私はパタパタと廊下に出ていって、笑顔で迎える。
「おかえりなさい! お疲れさま、ご飯できてるよ」
「ただいま。 美味そうな匂いがすると思った。ありがとう」
リビングに入り、瑛輔は分かりやすく驚いた声を上げる。
「今日、何の日か分かる?」
「俺たちの、結婚記念日だろ。もしかして、そのために用意してくれたのか…?」
「当たり〜! 瑛輔の好きなものたくさん作ったのよ。作りすぎっていうのには目をつぶってほしいな」
「凜!」
「きゃっ、わ、ちょっと! 降ろしてよ、危ないじゃない!」
瑛輔は持っていたカバンを投げ捨てると、私の腰に手をやり軽々と持ち上げた。
急な浮遊感にぽかぽかと肩を叩いて抵抗するも、瑛輔は離さない。