クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~
なんだ、やっぱりそういうことなのだ。
瑛輔は私に魅力を感じない。これだけ言っても、彼は私を抱いてはくれない。

キスされそうになったあの夜のことも、少しは彼も歩み寄ってくれているのかもなんて思い上がりだった。

「…ねぇ、瑛輔。 どうして私と結婚したの?」

相手は誰でもよかったことなんて分かってる。それならせめて、女として意識できる人を選べばよかったのに。

「うち以外にも大慈のためになる由緒正しい家はあるし、瑛輔なら選びたい放題でしょ。 最初から私を女として見れないって分かってたなら、お見合いを断ればよかったじゃない。文月の事情なんてあなたには関係ない。助ける義理もない」

言いながら鼻の奥がツンと痛くなる。
自分で言っていて傷つくなんてバカみたい。

「凜、待て。それは違う! 俺はおまえを――」
「ごめん、変なこと言って。 頭冷やしたいから、しばらく実家に帰るわ」

それから私は軽く荷物をまとめて家を出た。

瑛輔はいつもの余裕はどこへやらで何か言いたげな顔をしていたけれど、私を引き止めはしなかった。

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