クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~



子どもの頃から両親は仕事人間で、あまり家にいる人ではなかった。
たまに帰ってくると、作業の片手間に学校の成績や稽古事について聞かれる。成績が下がると少し嫌な顔をされた。中学に上がるまでは、頑張れば父も母も自分を見てくれると期待して勉強も運動も全力だった。

しかし、両親は俺が警察官になること以外興味がないのだと理解するようになり、期待するのはやめた。

そんなだったから、俺と、5つ年の離れた兄の誠(まこと)は祖父母と過ごすことが多かった。
祖父は民間の警備会社、UTUMI警備保障の経営の傍ら、俺たち兄弟を大切にしてくれた。俺は祖母も生きていた頃4人で雑魚寝するのが好きだった。

学校帰りに祖父の会社の事務所に寄り、そこの社員さんたちに混じって警察官の真似事をする。
近くの道場で遊びながら体術を学んだりもした。

そんな中、祖父に連れられ訪れた祖父の旧友の家で、ある少女に出会う。

黒目がちな瞳に短めの髪、小さくてお転婆な可愛いらしい子。
凜は5歳の頃から可愛かった。特に、俺と会う度『えいすけ!えいすけ!』とくっついて回ってくるのがとてつもなく。
下に兄弟のいない俺は妹ができた気分で嬉しかったのを覚えている。
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