クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~
「大慈! またでっかくなっただろ!?」

一言目から威勢がいい。俺は苦笑して答える。

「戸田は相変わらずだな…。今終わったところなんだよ、少しは休ませてくれ」
「そうはいかない! おまえ結婚したんだってな? 私になんの報告もないとはどういう了見だね?」
「別に……ってか、くっつくな。ここは日本だぞ。挨拶にキスもハグもない」
「ほう、言わないか。まあいい。来い、そこのホテルのafternoonでも嗜みながらみっちり話を聞いてやるから」

なんだその発音は。本場仕込みだからか無駄に上手いのが腹立つ。

俺は流されるまま戸田とホテルで食事をすることになった。

散々妻について吐かされ、ついでに現在進行形の悩みまで吐露してしまった俺は非常に疲れていた。
圧迫面接でも受けた気分だ。
しかし収穫もあった。一応女性の意見を聞けたことだ。

馬鹿だのヘタレだの罵られたが、少しだけこれからの方針が見えた気がする。

気分は上々、俺は凜の待つ家へ帰った。もう寝ているだろう。だが俺はこっそり凜の寝顔を眺めるのも好きだ。起きている時はまじまじとなんて見れないから、遅く帰宅した際の密かに楽しみな時間である。

まさかその数時間後、凜が家を出ていくことになるとは露ほども思っていなかった。






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