クールなエリートSPは極悪か溺甘か ~買われた新妻は偽りの旦那様の執愛から逃れられない~
アトラクションやフードについてはしっかり調べてきた。
朝一番は奥のアトラクションが狙い目とか、お店の営業時間とか……だけど、現実はそう上手く行かないものだ。
私とて、年パス持ちのエキスパートじゃない。学生時代に友人たちと遊びに来てから数年ぶりとなると、勝手も何も変わるものだなぁ。
「ごめん、結局すごく並ぶことになっちゃったわ…」
「待ち時間も含めて楽しむもんだろ。 俺は苦じゃないが、凜はいろいろ調べてくれてたもんな。そういうところ、嫌いじゃないぞ」
「瑛輔のポジティブなところも、嫌いじゃないわよ」
なんて素直じゃないんだろう。瑛輔の文句を真似たのもあるけれど、好きとは言えないのよね……
瑛輔はふっと吹き出す。
「ところでさ」
「なあに?」
「耳を付けていない人も結構いるみたいなんだが」
「に、似合ってるわよ? 犬の耳。可愛いわ!」
「……まあ、いいけど。凜の前でならこういうのも」
おそろいの犬の耳。瑛輔の大型犬って感じが可愛くて私が選んだものだ。彼は私の嘘に付き合ってくれるらしい。普段、仕事柄か凛々しい表情が多い瑛輔が、私にだけ見せてくれる姿なのだと思うとこんなにも嬉しい。
私の夫の可愛いところは、できれば独り占めさせて頂きたいものだ。これが独占欲なるものだろうか。
私は瑛輔の手をぎゅっと握る。彼は当たり前のように握り返してくれて、手のひらから伝わる温度にひたすらドキドキしていた。