学校の人気者は私だけを離してくれない
冬人くんは学校一の人気者。
当然進路も注目されていた。
そんな中。
東京の有名な高校からスポーツ特待の話が来た。
転校。
もし受ければ。
私たちは離れ離れになる。
教室中がその話で持ちきりだった。
「絶対行くべきだよね。」
「将来考えたらそうでしょ。」
みんなそう言う。
私もそう思う。
でも。
本音は違う。
離れたくない。
ある放課後。
屋上で二人きりになった。
「行くの?」
勇気を出して聞く。
冬人くんは少し黙った。
そして。
「迷ってる。」
と言った。
初めて見る弱い表情だった。
「俺さ。」
フェンス越しに空を見る。
「今まで何かを選ぶ時、自分のことしか考えたことなかった。」
「うん。」
「でも今は違う。」
風が吹く。
夕日が綺麗だった。
「お前と離れるの嫌なんだよ。」
心臓が止まりそうになる。
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