The previous night of the world revolution5～R.D.～

「はぁ…。早く景気良くならないかな」

「『青薔薇連合会』も、少なからずダメージ受けてるからね。アシュトーリアさんも溜め息ついてたよ」

そりゃそうなるよなぁ。

ルティス帝国裏社会の経済は、『青薔薇連合会』が大黒柱みたいなもんだ。

表社会が影響を受ければ、裏社会にも影響があるのは当然。

とはいえ、『青薔薇連合会』そのものは、懐が寒くて困るということはないのだ。

というのも、シェルドニアの一件で、糞縦ロールから死ぬほど慰謝料ぶん獲ったから。

これで当面は何の心配も要らない。

でも、社会全体が不況なのに、『青薔薇連合会』だけ豊かでも仕方がない。

陸に浮かぶ孤島みたいなもんだ。

これから、ますます裏社会の方も不景気が進んでいくことだろう。

はぁ。嫌になる。

「けいき…。ケーキ？ケーキ不味くなるの？それは大変だな」

一人だけ、景気をケーキだと思っているアリューシャ。

「…お前みたいに呑気になれたら幸せだな。アリューシャ」

と、ルルシーが嫌味を言うが。

むしろアリューシャは目を輝かせて。

「だろ！？アリューシャ超ハッピー！だって今日、おやつにアイ公がケーキくれたもん！」

「…」

無言で天を仰ぐルルシー。

駄目だよルルシー。アリューシャに嫌味は通じない。

全く。シェルドニアから帰ってきてようやく落ち着いたと思ったら、今度は社会の不景気か。

つくづく、平和とは尊いものだなと思う。