The previous night of the world revolution5~R.D.~
事実だが。そりゃオルタンスが言ってることは、確かに事実だが。

言い方ってもんがあるだろうがよ。

「経済が悪化したのは、あなた方の怠慢のせいではありませんか?」

初めて、ルチカ教祖の声にトゲが混じった。

「…何?」

「貧しい人々の声を聞かず、あなた方貴族や王族が富を独占した。そのせいでこんな状況になったのでは?」

「俺達を悪者にする前に、少しは経済学を学んでくれ。永久に好景気を維持出来るなら、政治家は誰も苦労しない」

「おい、お前言葉が過ぎるぞ」

さすがにオルタンスを止めた。

事実だけどな、そりゃ事実だけど。わざわざそんなトゲのある言い方をするな。

大好きなルレイアを真似てるのか?

しかし、オルタンスは動じない。

「ルティス帝国の経済状況悪化のきっかけは、隣国箱庭帝国の観光事業拡大のせいで、ルティス帝国の観光収入が激減したことが発端だ。だから、もしあなた達が復讐をしたいのなら、箱庭帝国に行ってくれ」

箱庭帝国も良い迷惑だな。

「私達は復讐をしたいのではありません。神の教えを国民達に広め、人を愛し、神を愛することを皆に思い出させることが目的なのです」

「それが何故デモ行為に繋がる?」

「これが一番、人々によく伝わるからです」

「…」

オルタンスは少し考え。

そして、とんでもないことを口にした。

「…あなたは、本当に神とやらを信じてるのか?」

宗教家相手に、なんてことを聞くんだお前は。





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