The previous night of the world revolution5~R.D.~
改めて、部屋の中に入る。

シェルドニア王国の最高級ホテルだけあって、なかなかのものだ。

ルアリスには悪いが、この点だけは、箱庭帝国と比べると雲泥の差だな。

ただし。

洗脳の危険を感じながら眠らなくて良いという点では、箱庭帝国の圧倒的勝利なんだけどなぁ。

それと、この部屋の内装の色。

壁も絨毯もベッドも何もかも、全部真っ白。

この趣味の悪さよ。

おまけに、心配事はもう一つ。

「…何か仕掛けられてないだろうな?」

ルルシーは、警察犬のように警戒心丸出しで、あちこちを覗いて回った。

全く、ルルシーったら。

だが、ルリシヤも。

「まぁ任せてくれ、先輩方。俺にものの10分も与えてくれれば、完璧に調査してやるから」

そう言って、ルリシヤは部屋の中の怪しい部分を、徹底的に洗い始めた。

あーあ。

ルリシヤの手にかかったら、盗聴も盗撮も夢のまた夢だな。

ルリシヤは本当に10分かけて、部屋の中を調べ尽くした。

エアコンから、洗面台の下の水道管、ベッドサイドのランプに始まり。

窓のさん、マットレスの隙間、アメニティの一つ一つに至るまで、全てチェックしていた。

素晴らしい念の入りようだ。

そして。

「…どうです?ルリシヤ。何か見つかりましたか?」

もし何かが見つかったなら、俺は今すぐこの部屋の扉を蹴飛ばし、ホテルを出て王宮に乗り込み。

アシミムの首に、今度こそ鎌を振り上げてやろう。

と、思ったが。

「大丈夫だ、ルレイア先輩。何も見つからない」

ほう。

どうやら、アシミムの生存が確定したようだな。

あのアシミム達に、ルリシヤの目を誤魔化すほどの逸材がいるとは思えないからな。

ルリシヤがなかったと言うなら、ないのだろう。

「…それでも、警戒心は緩めるなよ、ルレイア」

ルルシーは、そう言って俺に釘を刺した。

「勿論そのつもりですよ」

盗聴器や、お得意の洗脳の機械がないからと言って、気を許して良い相手ではない。

この洗脳国家。俺達には思いもよらない方法で、俺達を強引に洗脳する可能性は、充分ある。

食事も、ホテルが用意する一流シェルドニア料理なんかではなく。

ルティス帝国から持ってきた、携帯食料で済ませるつもりだ。

何が仕込まれているか、分かったもんじゃないからな。

とてもじゃないけど、安心して食べられない。

おまけにシェルドニア料理って、グロいじゃん?

あいつら、ミミズとかセミとか普通に食うからな。

美味けりゃ良いってもんじゃないんだよ。

「無事に、朝を迎えられると良いですけど…」

恐らく、大丈夫だとは思うが。

嫌でも、思い出さずにはいられない。

あの『ホワイト・ドリーム号』での、悪夢のような夜を。
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