The previous night of the world revolution5~R.D.~
…アシュトーリアさん。

笑い事ではないと思うんですが。

そこは、「対応が甘い」と叱ってくれなければならないところのはず。

しかし。

「そうだったのね~。強い人がたくさんいて、大変ね」

にこにこしながら、そんなことを言ってる。

…あなたに、叱ってもらわなければならないと思った、俺が馬鹿でした。

「済みません。独断で彼を帰して…」

「あらあら。あなたは間違ってないわ」

挙げ句、きっぱりそう断言する始末。

「アシュトーリアさんでも…彼を拘束せず、帰すことに賛成しましたか」

俺は、そう尋ねた。

「そうね…。並みの相手なら、帰さなかったでしょうね。でも、ルリシヤに怪我を負わせるような相手なら…アイズの判断の方が正しいわ」

「そんな…」

「アイズは贅沢なのよ。私に似たのね。使えそうな子を見ると、敵に回すより、自分の手の内に欲しくなるの」

うふふ、と微笑むアシュトーリアさん。

「それにその子、また会いに来てくれるって言ったんでしょう?」

「はい…」

「なら、そのときを待ちましょう。彼が何者で、何を企んでいるのか。そのとき確かめたら良いわ」

「…」

アシュトーリアさんは、こう言うが。

俺は、納得出来なかった。

次また来たとき、ルレイアがいたら。

何されるか、分かったもんじゃない。

「心配しないで、ルルシー。勿論、今度はそれなりの準備もするわ」

「うん!アリューシャも、今度こそは当ててやる!」

狙撃阻止されたのが、まだムカついているらしく。

アリューシャも、やる気満々である。

「…それで、ルルシー先輩」

「…何だ?」

肩の傷を、手当てをしてもらったばかりのルリシヤが、俺に声をかけてきた。

「奴の正体が何者か、心当たりは?」

「…何故俺に聞く?」

「愚問だな。彼はルレイア先輩を指名してきた。つまり、ルレイア先輩を知ってるんだ」

「…」

「何かしら、ルレイア先輩と関わりのある人物である可能性がある。ルレイア先輩の交遊関係を聞くなら、付き合いの長いルルシー先輩に聞くのが一番だ」

…そうだな。

その通りだよ、ルリシヤ。
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