The previous night of the world revolution5~R.D.~
俺は…ルレイアがまだ、その名前を名乗る前から、あいつのことを知ってる。

ずっと…ルレイアの親友であり続けた。

「…正直、心当たりはない」

情けないが、そう答えるしかない。

「そうか」

ルリシヤも、あまり返事に期待していた訳ではないようだった。

それもそうだ。

あんな実力者がルレイアの周りにいたなら、これまで気づかなかった訳がない。

「その…帝国騎士官学校時代の知り合い、とか…」

シュノは、言いにくそうにおずおずと尋ねた。

その時代のルレイアが、どれほど辛い時期であったか、シュノも話には聞いているからだろう。

「いや…。思い当たる人間はいない」

天下の帝国騎士官学校に行くような生徒達だ。

確かにつわもの揃いではあったけど…。でも、ルレイアに並ぶほどではなかった。

ルレイアはあの学年で、誰も文句なく、満場一致の首席卒業生だった。

他の学年にも…あれほど突出した実力者がいた記憶はない。

すると…。

「…もしかしたら、帝国騎士だった頃、由縁のあった人物かもしれないね」

皆同じことを考えたけど、でもあまりにも言いにくくて言えなかったことを。

アイズが、代わりに言ってくれた。

…そうかもしれない。

帝国騎士団は、オルタンスを始めとして、『青薔薇連合会』の幹部に匹敵するほどのつわものが揃っている。

そしてルレイアは、その帝国騎士団で、四番隊隊長をやっていた。

仕事柄、横の繋がりは広かったことだろう。

最年少の隊長として、目立った存在でもあった。

誰かがルレイアのことを覚えていたとしても、おかしくはない。

ルレイア本人が覚えているかは、分からない。

何しろ、帝国騎士団をやめてからの魔の二年間で、ルレイアはボロボロになってしまったのだから…。

嫌でもあのときの、虚ろな目のルレイアを思い出してしまって。

俺は、腸が煮え繰り返りそうだった。
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