The previous night of the world revolution5~R.D.~
「失礼、先輩方」

ルリシヤが、一歩前に出た。

「ルリシヤ?」

「ルルシー先輩、悪いがパソコンを貸してくれるか」

「え?い、良いけど…」

ルリシヤは、ポケットからUSBメモリを取り出して、ルルシーのパソコンに差し込んだ。

「ルリシヤ…。お前、何を…」

「アイズ先輩からは、いざというときの為にと口止めされていたんだが…。実は以前、アイズ先輩に携帯の改造を頼まれたことがあってな」

ルリシヤは、カチカチとマウスを動かしながら答えた。

…改造?

「有事のときに備えて、携帯のGPSに加え、超小型探知機をバッテリーと回路の隙間に仕込んでくれないか、とな」

…!

「俺にとってはお安い御用だから、引き受けたんだが…。その探知機が、まだ動いているかもしれない」

「ルリシヤ…。あなたって人は…」

本当に、なんて頼りになるんだ。

「とは言っても、永続的に居場所を探れる訳じゃない。携帯のバッテリーから電力を得て位置情報を発信しているから、バッテリーが死ねば探知機もオシャカだ。一応、予備に二つくらい仕込ませてもらったんだが、どちらか一方でも生きていれば…」

ルリシヤは真剣な眼差しで、マウスを操作した。

誰もが固唾を飲んで、ルリシヤの一挙一動を見守った。

この希望が潰えれば、アイズの居場所を探るのは難しくなる。

勿論、諦めるつもりなど毛頭ないが…。

…すると。

「…見つけたぞ」

ルリシヤが、パソコンの画面を俺達に向けて見せてくれた。
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