エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜
柊哉side
その数日後、俺が倒れたという噂は想像以上に広がり他科の友人や同期からも連絡が来る始末。今日何度目か分からない着信音に、ため息混じりに出ると相手は院長で、手が空いたら来いとだけ言われすぐに切れた。漠然と嫌な予感を感じたが無視する事も出来ず、ひと段落した所で院長室へと向かった。
「何かありましたか?要件は?」
「何かありましたかじゃないだろう。お前倒れたらしいじゃないか。いい歳になってまだ自己管理が出来ていないのか?」
やはりその話か...と心でため息をつき「以後気をつけます」とだけ言ってすぐに立ち上がろうとしたがそうはさせてくれない。
「待て柊哉、話は終わっていない。お前もいい歳だし倒れた事を考えても食事や生活の面でサポートしてくれる人がいた方が良いだろう。先日、加賀美製薬の社長と会った時娘さんを紹介されたんだ。気立ての良さそうなお嬢さんだった。お前にどうかという話だ」
...は?俺に、どうか?
それは見合いをしてそのご令嬢と結婚しろという事か...?
「お前ももう三十三だろう?私がその歳の頃には、とっくに結婚してお前が産まれていたぞ。仕事上結婚している事は信頼にも繋がるんだ、そろそろ身を固めたらどうだ」
「はぁ」二度目のため息は口から漏れていた。
立場上、どこかのお嬢様とか親が世話になっているとかで言い寄ってくる女性は数え切れない。だがそういう打算的な付き合いは好きじゃないし、時間の無駄とさえ思っていた。
そもそも、俺は本気で誰かを愛した事など一度もないのかもしれない...俺には恋愛は向いていないんだろうな。例え立場上必要だと言われても、やはり好きでもない相手と結婚なんて...
その時、なぜか一人の女性の顔が頭に浮かんだ。俺はやっぱり、彼女の事を...
どちらにせよ、この気持ちを確かめるまでは見合いなど絶対に出来ない。
「それとも、すでに相手がいるのか?」
「はい、結婚したいと思っている女性がいます。なのでその話はお受け出来ません」
「だったらすぐに連れて来なさい。見合いの予定は二ヶ月後だ、それまでにお前に見合う女性だと私が納得したらこの話はなかった事にしよう」
...今まで親らしい事など何一つしてこなかった人が、結婚にはここまで口を出すのか。俺は本気で好きになった女性がいればこの人に関係なく結婚するつもりだ。そもそもなぜ納得させなければいけないのかと疑問すら湧き、父への積年の思いが俺を苛立たせた。
とにかく、見合いの話は一旦保留になったようなので早くこの部屋を出る為「わかりました」と適当に返事をして立ち上がろうとした時、ドアをノックする音が響いた。
その数日後、俺が倒れたという噂は想像以上に広がり他科の友人や同期からも連絡が来る始末。今日何度目か分からない着信音に、ため息混じりに出ると相手は院長で、手が空いたら来いとだけ言われすぐに切れた。漠然と嫌な予感を感じたが無視する事も出来ず、ひと段落した所で院長室へと向かった。
「何かありましたか?要件は?」
「何かありましたかじゃないだろう。お前倒れたらしいじゃないか。いい歳になってまだ自己管理が出来ていないのか?」
やはりその話か...と心でため息をつき「以後気をつけます」とだけ言ってすぐに立ち上がろうとしたがそうはさせてくれない。
「待て柊哉、話は終わっていない。お前もいい歳だし倒れた事を考えても食事や生活の面でサポートしてくれる人がいた方が良いだろう。先日、加賀美製薬の社長と会った時娘さんを紹介されたんだ。気立ての良さそうなお嬢さんだった。お前にどうかという話だ」
...は?俺に、どうか?
それは見合いをしてそのご令嬢と結婚しろという事か...?
「お前ももう三十三だろう?私がその歳の頃には、とっくに結婚してお前が産まれていたぞ。仕事上結婚している事は信頼にも繋がるんだ、そろそろ身を固めたらどうだ」
「はぁ」二度目のため息は口から漏れていた。
立場上、どこかのお嬢様とか親が世話になっているとかで言い寄ってくる女性は数え切れない。だがそういう打算的な付き合いは好きじゃないし、時間の無駄とさえ思っていた。
そもそも、俺は本気で誰かを愛した事など一度もないのかもしれない...俺には恋愛は向いていないんだろうな。例え立場上必要だと言われても、やはり好きでもない相手と結婚なんて...
その時、なぜか一人の女性の顔が頭に浮かんだ。俺はやっぱり、彼女の事を...
どちらにせよ、この気持ちを確かめるまでは見合いなど絶対に出来ない。
「それとも、すでに相手がいるのか?」
「はい、結婚したいと思っている女性がいます。なのでその話はお受け出来ません」
「だったらすぐに連れて来なさい。見合いの予定は二ヶ月後だ、それまでにお前に見合う女性だと私が納得したらこの話はなかった事にしよう」
...今まで親らしい事など何一つしてこなかった人が、結婚にはここまで口を出すのか。俺は本気で好きになった女性がいればこの人に関係なく結婚するつもりだ。そもそもなぜ納得させなければいけないのかと疑問すら湧き、父への積年の思いが俺を苛立たせた。
とにかく、見合いの話は一旦保留になったようなので早くこの部屋を出る為「わかりました」と適当に返事をして立ち上がろうとした時、ドアをノックする音が響いた。