エリート脳外科医の長い恋煩い〜クールなドクターは初恋の彼女を溺愛で救いたい〜
柊哉side
優茉を探し回っていると、外のゴミ置き場へ繋がる薄暗い廊下から声が聞こえてきた。そっと覗くと、派手なコートを羽織った女性と優茉の姿があり駆け寄ろうとしたその時、優茉の震える大きな声に思わず足が止まった。
そして彼女が必死に紡いだのは、俺へのとても温かい気持ちだった。盛大な告白のようなその言葉たちに優茉への思いが込み上げ、もう我慢できなかった。
仕事を終わらせ、ロッカー室の前で優茉を待ち伏せ手を引いて車に乗せる。
「あ、あの?先生...?」
「とりあえず家まで送る。俺は少し用事があるから、終わったらまた迎えに行く。だからその間に荷物を用意しておいてくれないか?」
「いいんですか...?本当に、また先生のお家に帰っても...」
「もちろん、必ず連絡するから待っていて」
優茉のマンションまで送ってから、俺は加賀美製薬の本社へと車を走らせた。
「加賀美社長、突然押しかけてすみません。実は麗奈さんとの件なのですが」
「ああ、香月院長から聞いたかい?うちの娘が柊哉くんをどこかで見かけたらしく、ずいぶんと気に入ったみたいでね。院長も君が結婚する気配がないと心配しておられて、一度二人を会わせてみようかと言う話になってね」
「その事ですが、僕には守りたい人がいます。申し訳ありませんがご期待に応える事はできません」
「そうか...私としても残念だが、柊哉くんにそういうお相手がいたのなら、私たちは出過ぎたまねをしてしまったね。親として子ども達の将来が心配だったんだよ」
「今回の件を白紙に戻して頂けるのなら構いません。しかし、一つお願いしたい事があります」
俺は今日の出来事、以前にも優茉を訪ねてきていた事を話し今後同じ様な事はやめてもらえるよう父親である社長からも伝えて欲しいと頼んだ。
「麗奈がそんな事を...。迷惑をかけて申し訳なかった、私からも話しておくよ」
すると、俺をここまで案内しドアの横に立っていた社長秘書の男性が声を上げた。
「あの...私もお嬢様に頼まれて、色々としてしまいました。申し訳ありませんでした」
「どういう事だい?」
「実は、香月先生が元交際相手にしつこく付き纏われて困っているから、その女性の事を調べて助けてあげて欲しいと...。しかし、今の会話で全く逆だったとわかりました。申し訳ありません」
「...彼女に何をしたんですか?」
「お嬢様に頼まれて、住まいや家族の事を調べました。それから、彼女の動向を少し見ていました...」
そんな事までさせていたのか...。言葉が出ない俺に代わり、社長の怒声が響く。
「なぜそんな事までしたんだ!君のやった事は法に触れてもおかしくない事だぞ!全く、麗奈も困ったものだ...。柊哉くん、本当に申し訳ない。お相手の女性にも、父親として娘がしてしまった事をきちんとお詫びがしたい」
「...彼女は先日、持病の発作を起こしました。主治医によると、強いストレスが原因だろうとの事でした。そこまで彼女を追い詰めた事、麗奈さんとあなたには充分に反省してもらいたい。今後僕たちには関わらない事を約束して頂ければ、謝罪はけっこうです。今回の事は父に報告するだけにとどめます」
「麗奈には今後一切二人には近づかないようきつく言い聞かせる。本当に申し訳ない」
「約束して下さい。もしも守って頂けなければ、弁護士の友人に頼み法的措置も検討します。よろしくお願いします」
頭を下げる二人にそう告げ、俺は社長室を後にした。
これでひとまず優茉に今後危害を加えられる事はないだろう。しかし、彼女の心には深い傷が残ったはずだ。辛い思いをさせてしまった分も、今すぐ思い切り抱きしめて俺が癒してあげたい。
優茉を探し回っていると、外のゴミ置き場へ繋がる薄暗い廊下から声が聞こえてきた。そっと覗くと、派手なコートを羽織った女性と優茉の姿があり駆け寄ろうとしたその時、優茉の震える大きな声に思わず足が止まった。
そして彼女が必死に紡いだのは、俺へのとても温かい気持ちだった。盛大な告白のようなその言葉たちに優茉への思いが込み上げ、もう我慢できなかった。
仕事を終わらせ、ロッカー室の前で優茉を待ち伏せ手を引いて車に乗せる。
「あ、あの?先生...?」
「とりあえず家まで送る。俺は少し用事があるから、終わったらまた迎えに行く。だからその間に荷物を用意しておいてくれないか?」
「いいんですか...?本当に、また先生のお家に帰っても...」
「もちろん、必ず連絡するから待っていて」
優茉のマンションまで送ってから、俺は加賀美製薬の本社へと車を走らせた。
「加賀美社長、突然押しかけてすみません。実は麗奈さんとの件なのですが」
「ああ、香月院長から聞いたかい?うちの娘が柊哉くんをどこかで見かけたらしく、ずいぶんと気に入ったみたいでね。院長も君が結婚する気配がないと心配しておられて、一度二人を会わせてみようかと言う話になってね」
「その事ですが、僕には守りたい人がいます。申し訳ありませんがご期待に応える事はできません」
「そうか...私としても残念だが、柊哉くんにそういうお相手がいたのなら、私たちは出過ぎたまねをしてしまったね。親として子ども達の将来が心配だったんだよ」
「今回の件を白紙に戻して頂けるのなら構いません。しかし、一つお願いしたい事があります」
俺は今日の出来事、以前にも優茉を訪ねてきていた事を話し今後同じ様な事はやめてもらえるよう父親である社長からも伝えて欲しいと頼んだ。
「麗奈がそんな事を...。迷惑をかけて申し訳なかった、私からも話しておくよ」
すると、俺をここまで案内しドアの横に立っていた社長秘書の男性が声を上げた。
「あの...私もお嬢様に頼まれて、色々としてしまいました。申し訳ありませんでした」
「どういう事だい?」
「実は、香月先生が元交際相手にしつこく付き纏われて困っているから、その女性の事を調べて助けてあげて欲しいと...。しかし、今の会話で全く逆だったとわかりました。申し訳ありません」
「...彼女に何をしたんですか?」
「お嬢様に頼まれて、住まいや家族の事を調べました。それから、彼女の動向を少し見ていました...」
そんな事までさせていたのか...。言葉が出ない俺に代わり、社長の怒声が響く。
「なぜそんな事までしたんだ!君のやった事は法に触れてもおかしくない事だぞ!全く、麗奈も困ったものだ...。柊哉くん、本当に申し訳ない。お相手の女性にも、父親として娘がしてしまった事をきちんとお詫びがしたい」
「...彼女は先日、持病の発作を起こしました。主治医によると、強いストレスが原因だろうとの事でした。そこまで彼女を追い詰めた事、麗奈さんとあなたには充分に反省してもらいたい。今後僕たちには関わらない事を約束して頂ければ、謝罪はけっこうです。今回の事は父に報告するだけにとどめます」
「麗奈には今後一切二人には近づかないようきつく言い聞かせる。本当に申し訳ない」
「約束して下さい。もしも守って頂けなければ、弁護士の友人に頼み法的措置も検討します。よろしくお願いします」
頭を下げる二人にそう告げ、俺は社長室を後にした。
これでひとまず優茉に今後危害を加えられる事はないだろう。しかし、彼女の心には深い傷が残ったはずだ。辛い思いをさせてしまった分も、今すぐ思い切り抱きしめて俺が癒してあげたい。