結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「あ、うん。ふたりともあまりこだわりがなくて」


 そう言う以外にない。


「まぁ今はいろんな考えの人がいますからね」
「う、うん、そう、だよね……」


 思いがけない指摘に動揺する。じつは手も繋いだことがない夫婦だとバレたらどうしようかと、鼓動がありえないほど高鳴っていく。


「男性なんて着けない人のほうが多いですし」


 そう言われて周りの既婚者を思い浮かべる。

(木原センター長はしてた? どうだろう、覚えてない。……けど、記憶にないってことは、他人はそこまで気にかけていない……?)

 センター内のほかの既婚者の姿を思い浮かべるが、左手の薬指に光るものがあったかどうか。はっきりしないし、あやふやだ。

 つまり着けていようがいまいが関係ないのだ。それに指輪があろうとなかろうと結婚しているのに変わりはない。


「変なこと聞いてごめんなさい」
「あ、ううん」
「ところで、イメチェンは津城さんのためですね?」
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