結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
不確かなダイバート
肩章に四本のラインが入った制服に着替えると自然と背筋が伸び、気持ちのスイッチが切り替わる。それは、優成がパイロットとして操縦桿を初めて握ったときから変わらない。
準備を終えロッカールームをあとにすると、同期のコーパイに声をかけられた。
「津城、お疲れ。これからか? どこ行くの?」
「今日は大分」
午前十一時半出発の大分行きが、優成の今日最初のフライトである。
「そっちは?」
「俺はLAX」
「長いな。気をつけて」
ロサンゼルス、通称LAXへ飛ぶという彼に労いの言葉をかけながらオフィスへ向かう。
将来はパイロットになりたい。――いや、絶対になる。
そう心に決めたのは、優成が小学生のときだった。それも家出したときの話だ。
いつかは父親との別れが待っているかもしれないと、じつは幼心にどこかで感じていた。というのも、母親は三度目の結婚だったからだ。