結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
そしてそれは優成が十歳のときに的中した。母はまたべつの人に恋してしまったのだ。
両親から離婚すると聞かされ、優成はなけなしのお小遣いをかき集めて家を飛び出した。ここではないどこか遠くへ行ってしまいたかった。
家出するほど傷ついた息子のために、両親が離婚を思い留まってくれるかもしれないという期待もあったかもしれない。
優成の足が向いたのは羽田空港だった。年に何度か家族旅行で飛行機を利用していたため、恐れはなかった。
行き先は以前、家族で行った札幌。父の見よう見まねでチケットを買って搭乗する。
(なんだ、簡単じゃないか。僕はもう飛行機だってひとりで乗れるんだ。お父さんやお母さんがいなくたって平気さ)
離婚話で傷ついた心は、大人の仲間入りをした誇らしさで幾分か和らいだ。
しかしそれも束の間。突然の荒天に見舞われ、機体が激しく揺れはじめる。パイロットとして操縦桿を握る今の優成なら荒天による大きな揺れに過度な心配は必要ないとわかっているが、幼い優成には未知の世界。もしかしたら墜落するかもしれない。そうしたら両親にも二度と会えなくなる。
家族と離れてひとりぼっちで飛行機に乗っている心細さが、恐怖を倍増させた。
(神様、お願い! 墜落なんてさせないで!)
体を震わせ、一身に神様に助けを求めたそのとき、機長による機内アナウンスが流れる。
両親から離婚すると聞かされ、優成はなけなしのお小遣いをかき集めて家を飛び出した。ここではないどこか遠くへ行ってしまいたかった。
家出するほど傷ついた息子のために、両親が離婚を思い留まってくれるかもしれないという期待もあったかもしれない。
優成の足が向いたのは羽田空港だった。年に何度か家族旅行で飛行機を利用していたため、恐れはなかった。
行き先は以前、家族で行った札幌。父の見よう見まねでチケットを買って搭乗する。
(なんだ、簡単じゃないか。僕はもう飛行機だってひとりで乗れるんだ。お父さんやお母さんがいなくたって平気さ)
離婚話で傷ついた心は、大人の仲間入りをした誇らしさで幾分か和らいだ。
しかしそれも束の間。突然の荒天に見舞われ、機体が激しく揺れはじめる。パイロットとして操縦桿を握る今の優成なら荒天による大きな揺れに過度な心配は必要ないとわかっているが、幼い優成には未知の世界。もしかしたら墜落するかもしれない。そうしたら両親にも二度と会えなくなる。
家族と離れてひとりぼっちで飛行機に乗っている心細さが、恐怖を倍増させた。
(神様、お願い! 墜落なんてさせないで!)
体を震わせ、一身に神様に助けを求めたそのとき、機長による機内アナウンスが流れる。