結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
『お客様に操縦席よりご案内申し上げます。先ほどから大きく揺れていますが、活発な雲の中を飛行している影響でございます。安全な運航にはまったく支障はございませんので、どうかご安心くださいませ』


 力強い言葉は、優成の不安を一掃するには十分だった。
 このパイロットなら、きっと安全に目的地の空港まで送り届けてくれる。彼に対する不確かな信頼で心が強くなった。

 そして、その飛行機は優成の期待を決して裏切らず、安全に着陸を完了した。

 あまりの感動が、優成の足を動かす。乗客の波に飲まれながら飛行機を降り立つそのとき、CAに機長に会いたいと願い出た。


『あんなに激しい揺れだったのに無事に送り届けてくれてありがとうございます! カッコいい機長とぜひ会いたいです!』


今思い出しても恥ずかしいくらい興奮していた。
CAも機長も快く応じてくれ、一緒に写真撮影までしてくれた。

〝いつか僕も機長みたいなパイロットになるんだ〟

そのときの飛行体験と出会いが、パイロットを目指すきっかけになった。
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