結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 優成は既婚者になりたかっただけに過ぎない。祖母を安心させられ、言い寄ってくる女性たちを避ける材料になればいいと思ったから。
 しかしそれは、あまりにも自分本位なのかもしれない。史花も了承したとはいえ、今さらながら妻に対する責任を放棄しているように思えてきた。

 彼女はこの結婚生活をどう感じ、どう考えているだろう。

 史花の真面目ぶりは、以前から優成の耳に入ってきていた。堅物すぎてつまらないという、どちらかというとマイナス要素のほうが強かったように思う。
 しかし優成は、彼女のその生真面目なところがディスパッチャーとしての誠実な仕事に繋がっているのだろうと好意的に捉えていた。女性を敬遠していたため、もちろん異性としてではなく人間としてである。

 事実、彼女のフライトプランは鋭い観察眼と緻密なデータ分析によって作成され、信頼のおけるものだったからだ。そしてそれはパイロットの間でも有名な話であった。

 祖母から提案された史花との結婚を承諾したのには、優成に言い寄ってくる女性とも母とも一八〇度違うタイプの彼女なら嫌悪感を抱かずに済むのではないかと考えた側面もある。

 真面目な史花は今、なにを思って結婚生活を送っているだろうか。

 そんなことを考えていると、一緒に乗務するコーパイが声をかけてきた。
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