結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
(だけど聞き間違いかもしれないわ。電波状況があまりよくなくて混線したのかもしれないし)

 大きく動揺して頭が混乱する。


『史花? 聞いてるか?』
「は、はいっ、すみません。もう一度言ってもらってもいいですか?」
『デートしようと言ったんだ』
「デ、デート……」

 つい口ごもると、優成は電話の向こうでクスッと笑った。

(聞き間違いじゃなかった……!)


『そうだ、デート。〝夫婦で初めての体験をする〟ってあっただろう? 俺たちはまだ、ふたりでどこにも出かけていない』


 食事やまめな連絡ができるようになって満足している史花とは違い、優成は口だけでなく実行力のある人のようだ。
 友人止まりの関係は、夫婦にはまだほど遠い。

 優成はそれを見越して、〝夫婦円満のコツ〟を本気で実行しようとしてくれている。史花の悩みに寄りそう優しさに胸が熱くなった。
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