結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「そんなに冷たくしないでください」
「優しくする筋合いはないし、キミには興味もまったくない」


 ここまで素っ気なくされてもめげない精神力はどこからくるのだろう。父親がオーシャンエアラインの取締役であるという後ろ盾がそうさせるのか。

 環のような人間と接すると、余計に女嫌いが発動して虫唾が走る。


「ああ、それから、誰に聞いたのか知らないが、俺の携帯に電話をかけてくるのもやめてくれ」


 見知らぬ番号からの着信に一度は出たが、それが環だとわかってからは無視していた。


「忙しいから失礼する」


 強引に環を避けてドアを開けようとしたそのとき、視界の隅に捕らえたものに吸い寄せられるようにして目を向ける。
 一〇〇メートルほど離れた通路の先に史花がいた。白石も一緒だ。


「いっそ俺にしちゃえば?」


 いったいどういうつもりなのか。優成と一緒にいるのをやめて自分にしろと言っているのか。
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