結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
 なぜだろう。とてつもなく胸糞悪い。
 史花をちゃんづけで呼ばれただけで、どうしてこうも腹が立つのか。形だけとはいえ自分の妻だからなのか。不可解な感情の起伏に困惑する。

(しかも可哀想だからってなんだ)

 史花は一触即発の事態にオロオロするばかり。胸の前で手を組み、どうしていいかわからないといった様子だ。


「あ、すみません、つい」


 さすがにまずいと思ったか、白石はおどけたように肩を上げ下げして頭を掻いた。


「津城さんでも嫉妬ってするんですね」
「嫉妬?」


 眉間に皺を寄せて聞き返す。

(俺がヤキモチを? いやいや、そんなわけないだろ)

 自問自答して否定する。


「やだな、惚けないでくださいよ。でも、うかうかしてたら、俺ほんとに史花ちゃんを奪っちゃいますよ~?」
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