結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「それでは、このあたりの商品はいかがでしょうか」


 店員がピックアップしてトレーに並べた指輪のひとつに、史花の目が留まる。


「これ、素敵ですね」


 二本のリングが絡み合い、ひとつの指輪になったものを指差した。史花は見たことのないデザインだ。
女性物と思われる小ぶりのほうはプラチナとピンクゴールドが絡み合い、中央部分に小さなダイヤモンドが三つ並んでいる。男性物はどちらもプラチナで色味を合わせ、クールでスタイリッシュな印象だ。


「そちらはギメルリングと呼ばれるもので、ふたりがひとつの家族になることをイメージしたリングになります。あまり見ない形ですので新しいデザインと思われるかもしれませんが、その歴史は古代ローマ帝国まで遡るほど古いんです」
「そうなんですか」


 ふたりでひとつなんて、まさに結婚指輪にぴったりだ。


「試着してみないか?」


 言われて頷くと、優成はすかさずペアのうち小ぶりのほうを手に取った。
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