結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
その一週間後、喜乃との約束の日はやって来た。
地図アプリを頼りに指定されたホテル『ラ・ルーチェ』に到着した史花は、二階層吹き抜けのエントランスロビーの豪華さに圧倒されながら一階にあるラウンジを目指した。
いつもの地味なパンツスタイルは華やかなロビーに似合わず、事前に洋服を買っておけばよかったと後悔するが時すでに遅し。きっと誰も史花など目に入らないと思いなおし、背筋を伸ばす。
喜乃の孫に会うだけなのに妙に緊張するのは、最初に彼女が〝お見合い〟と言ったせいだろう。最後には〝会ってみるだけ〟に落ち着いたが、同性相手ならともかく異性に紹介されるため戸惑いは隠せない。
喜乃はラウンジのちょうど中央にいた。こちらに背を向けているため孫の顔は確認できないが、喜乃が立ち上がり手を振る。
「史花さん!」
会釈で応え、ふたりのもとへ向かった。
「すみません、お待たせしました」
そう言いながらテーブルの脇に立ってすぐ、孫の男性が不審そうに言う。