結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「シャワーなら俺が」
「えっ!?」


 声がひっくり返った。


「というのは冗談。そのままベッドに寝かせようとしたら、シャワーも歯磨きも絶対にやると言って聞かなくてね。自分でやってたよ」
「そうですか……」


 ほっとして胸を撫で下ろす。風邪をひこうが発熱しようが、史花はお風呂を絶対に欠かさない。インフルエンザで高熱が出たときにはさすがに母に止められたため、夜中にこっそりシャワーを浴びたくらいだ。


「危なっかしいからパウダールームの外でずっと待機してたけど」
「……本当にごめんなさい」
「今夜はそのパジャマを一緒に着たいってクローゼットから出したのも史花だ」


 言われてハッとした。

(それならなんとなく覚えてる気が……)

おぼつかない足でクローゼットを開ける記憶が蘇る。いろいろと情けないし恥ずかしい。肩を丸めて縮こまった。
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