結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「史花」
「は、はいっ」


 まるで優等生みたいな返事だと思いながら背筋を伸ばしたたら、余計に彼との距離が近くなってしまった。
 でも視線は合わせられず、彼の首元を行ったり来たり。


「あ、あの、私、お酒臭いかもしれないので……」


 離れたほうがいいと暗に含める。


「それじゃ、試してみようか」
「試すって――」


 言葉が強制的に途切れる。唇ごと優成に奪われたのだ。

(えっ……!?)

 ものの数秒で解放され、唇が半開きになる。目は大きく見開いた。


「あ、の」
「安心して。酒臭くはない」


 そういうことではない。
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