結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?
「そうよね……」


 史花にもその記憶がある。保存したデータを湯浅が確認したのだから、その時点では正しいプランだったはずだ。
 それなのになぜ、まったく違うものが運行管理センターに渡ったのか。

 木原が戻り、フライトプランを作成しなおしたのを見計らい、彼のもとへ向かう。気持ちばかりが焦り、足がうまく前に出ない。


「センター長、申し訳ありませんでした」
「あぁふみちゃん。ちょっとこっちにいいかな?」


 木原は書類を小脇に抱え、史花を近くの応接室へ連れ立った。

 その様子を同僚たちが目で追うのを方々から感じながら入室。ソファに向かい合って腰を下ろした。

 息を吐く間もなく木原が切りだす。


「間違いは誰にでもあることだ。とはいえ、大勢の乗客や乗員の命を左右する情報を提供する我々の責務は重いからね」
「承知しています」


自分のミスが引き金になり、航空機の安全を脅かすところだった。
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