結婚不適合なふたりが夫婦になったら――女嫌いパイロットが鉄壁妻に激甘に!?

 その日、帰宅した史花はお風呂を出たタイミングで未希のことを思い出した。自分のミスで頭がいっぱいで、彼女の話を聞こうとしていたのを忘れていたのだ。

(でも私が帰るときにはもう、姿がなかったような気がするけど……)

 彼女のほうが先に退勤するときにはいつも必ず声をかけてくれるのに、いつの間にかいなくなっていた。
 史花が始末書を書いたことだって知っているだろうに、その件についてどころか、話しかけてもこなかった。

 ドライヤーを終えてリビングへ行き、バッグからスマートフォンを取り出す。未希とのトークルームに【なにかあったら話してね】と入力して送信した。

(リプがくるといいけど。来なかったら、明日声をかけてみよう)

 そう決めてスマートフォンをテーブルに置いてすぐ、着信を知らせて鳴りはじめる。画面に優成の名前が表示されていた。

 優成は今日、福岡にステイし、明日は羽田に戻って釧路空港へ発つ予定である。ここへ帰ってくるのは明後日だ。


「もしもし」
『史花、大丈夫か?』
「えっ?」
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